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北角さんから番茶の「きし豆茶」を頂きました。
友達に会いに行った高知県で買ったそうです。

ところで「番茶」というのは何かというと・・・僕もよく知らないのでネットで調べてみました。

「番茶というと、下級品や規格外の安価なお茶のことだと思われていますが、今のような蒸し製の煎茶が民間に出回るようになったのは江戸時代の中頃以降のことで、それまで各地各様の製法で自家用に作られていたお茶を総称して番茶といいます。」(日本の喫茶文化より)

ほほう、そうですか。以前、中津店で働いていた岡本さんの田舎が京都の山奥の方にあって、そこで作っている自家製のお茶をもらったことがありましたが、そういうものということですね。
この「きし豆茶」はお茶っぱを摘んできて軽く炒った、そんな色です。

で、「きし豆」というのは・・・、
「正式名は《カワラケツメイ》というマメ科の植物で、高知での呼び名が、きし豆(岸豆)というわけです。
番茶もきし豆茶も高知では沸かして飲まれる方がほとんどです。
急須で淹れると柔らかい味になりますが、沸かしても苦くならず茶葉の真の旨みまで取り出すことができます。作り置きをしても味が変わりにくいのが特徴です。」

これが「きし豆」
上の写真でもちゃんと写ってますが分かりますか?

さて、この「きし豆茶」は普通に熱湯で3分間蒸らして飲むよりは、ヤカンでぐつぐつと煮立てて飲むのがおいしいです。むかし懐かしい味がしますね。

これこそ「番茶」です。


北角さんは、友達と会ったついでに、前から行きたかった「高知県立 牧野植物園」へも行ったそうです。その時、ちょうど展示会場で「お茶の話」というイベントをやっていて、そこでこんなパスポートをもらってきてくれました。

中身はお茶に関する紹介、歴史、クイズなどなど。子供たちにも分かりやすいように、できるだけ簡単な説明に留めています。

例えば、イギリスで紅茶が栽培されていると勘違いしている人のためには、こういう文章があります。

「《紅茶が作られる国々》
あたたかい所を好むチャの木はイギリスで育てるにはむずかしい植物です。そこでイギリスの植民地だったインド、スリランカにチャの木を持ち込んだり、野生のチャの木を育てたりして、できた紅茶をイギリスに輸入しました。」

イギリス人は紅茶を植民地から運び込み、自国で栽培できないかわりに「ブレンドをする」という文化を作りあげました。中国茶とインドの紅茶を混ぜたり、紅茶に香りをつけたり、インド産の紅茶同士をブレンドしたりして、朝食用とかお昼の紅茶とか夜の食後の紅茶とか。
日本茶とか中国茶とかは「ブレンド」は基本的にはしないですよね。

あと、僕的には「お茶の作り方の違いのページ」が面白かった。

こうやって並べてみると、同じ茶の木から採れる葉っぱで、緑茶ができたり紅茶ができたり烏龍茶ができたりする、というのが分かってもらえると思うんだけど、どうでしょうね?

お茶の葉には、それ自体に酵素が含まれていて、摘んできた葉をそのままにしておくと徐々に酸化発酵が進み、最後には茶色く枯れていきます。

1)日本の緑茶は、摘んできた葉をすぐに蒸してその発酵を止めます。こうすることで、緑色のまま加工することができます。

2)中国の緑茶は、蒸すかわりに、中華鍋のような半円形の鍋に葉を押し付けて発酵を止め、これも緑色のまま製茶します。

3)紅茶は、摘んできた葉をカットして強制的に発酵を進め、葉を揉むことでさらに発酵させ、完全に発酵させた葉を乾燥させて作ります。

4)烏龍茶は、摘んできた葉を丸いカゴとかに広げ、それをゆすることで発酵を少しだけ進めたあと揉んで釜に入れて発酵を止めます。その発酵のさせ方は、数パーセントから90パーセントまで多種多様な方法があるようです。その後、釜で炒って発酵を止めて製茶します。

どんな植物でもそうでしょうけど、お茶の木にも色々と品種があって、それに合わせた製茶方法がその土地土地で考えられ今日に至っています。だから、いろんな味のお茶があるのですね。

神原
この記事は2006年に書いた物です。






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