[ 神原通信 ]

2024年4月18日(木

<『007 /Dr.No』>

Dr.NO

ブルーレイ画質★★★★★

記念すべきシリーズ第一作目の日本公開時のタイトルは『007は殺しの番号』(1962年)
主人公のジェームズ・ボンドはMI6という英国諜報局の局員(公務員?)なのですが、特別に「殺人の許可を与えられている00(ゼロゼロ)ナンバー」の7人目という設定。だから、躊躇なく「人殺し」ができるんですね。単に無法者(アウトロー)ではなくて、秩序ある世界での「仕置人」みたいな存在なのが彼の魅力でもあります。

さらに、映画の観客の「目の保養」のために、オーダーメイドのスーツを着こなし、スポーツ・カーを乗り回し、悪(敵)と闘う時には、胸のホルダーからオートマチックの銃を取り出して発砲、事件で出会った女性を積極的に口説き落とし味方につけるということまで難なくやってのけるという「超人」ぶり。

「かっこいい!!」

と観客は思ったんですねぇ。
100万ドルの低予算で作られた映画にしては、かっこいいところがたくさんある。

1)オープニング。盲目の 三人組が英国の諜報員を殺すシーンがかっこいい。
2)名前を聞かれ「ボンド、ジャームズ・ボンド」と答える主人公の登場シーンがかっこいい。
3)事務所に戻って来たボンドが上司のMに会うシーンでのスーツ姿のボンドがかっこいい。
4)ジャマイカでのホテル内を歩き回るボンドがかっこいい。
5)刺客の教授との駆け引きと銃にサイレンサーを取り付けて撃つ。かっこいい。
6)ハニー・ライダー役のウルスラ・アンドレスが海から砂浜に出て来るシーンがかっこいい。


下の画像は、リバイバル公開時の映画館での配布チラシですね。昔は2,3枚持って帰って、友達と交換するのが習わしでした。
ボンドのテーマ曲(モンティー・ノーマン作曲)であろう楽譜、サイレンサー付きのワルサー銃、
ギャンブル、カーチェイス、SF調の原子炉、ビキニ姿のウルスラ(アーシュラ)・アンドレス、ボンドのシャツを着てゴルフに興ずるボンドガール。盛り込み過ぎのレイアウトが懐かしい。

ドクターノオ

下は初代ボンドガールの3人。左の2人の印象が薄いのは、ウルスラが目立ちすぎたため。

ボンドガール ボンドガール

ジャマイカでの撮影風景

テレンスヤング

こうやって撮影してたんですね。

「ドクター・ノオ」には、秘密兵器もアストン・マーチンも出て来ないけど、テレンス・ヤングの作り込んだ主人公:ジェームズ・ボンドは魅力的だし、演出も小気味よくてまとまりがあって好きですね。
しかし、4作目の「サンダーボール作戦」での監督には「どうしたんだろう?」というほど全くいいところがありません。1作ごとに制作費が巨大になりすぎて、全体を監督できなくなったんでしょうね。映画のポスターのようには編集ができなかったようです。

サンダーボール

サンダーボール

これが映像化できたら素晴らしい映画になってたでしょうけど、妄想が過ぎます。

さて、ファッションから007の魅力を解き明かすページを見つけたのでご紹介します。
誰が書いているかは分からないのですが、映画に相当詳しい方ですので、読む価値ありますよ。

「カイエ・デ・モード」

ジェームズ・ボンド誕生
https://cahiersdemode.com/drno/

 

 

 

2024年4月1日(月

<『007 / ゴールドフィンガー』>

ゴールドフィンガー

ブルーレイ画質★★★★★

『007/ゴールドフィンガー』(1964年)

007シリーズは何度もリマスターされているので、画質に問題はなし。これが1,200円!(通常は1,500円だけど、Amazonのタイムセールなので。)
ヨーロッパ・ロケの風景がきれい。アストンマーチンもリアル。

この映画はシリーズの第3作目に当たり、ガイ・ハミルトンが監督。1.2作をテレンス・ヤングが監督したのに、なぜガイ・ハミルトンに変ったのかは不明。時間の都合がつかなかったのかと調べたが、1964年は何も監督をしていない。単にやりたくなかったのかも。自作の「サンダーボール作戦」を監督したが、何かやる気のなさを感じてしまう。スケールが大きくなりすぎると、全てを監督する事ができなくなって大味になるのが嫌だったのかも、というのが僕の推測。

まあ、ガイ・ハミルトンは職人監督っぽいし、作品も劇画チックで好きですけど。

今回から、アストンマーチンが出て来るけど、ギミックが面白い。マシンガンや助手席が飛び出るのが人気だけど、車輪から出て来るこれも好き。

シャフト

これで敵の車を破壊するんだけど、実際の車には装着できなかったらしいので見かけだけ。

今作のボンドガールのオナー・ブラックマンはあまり好きじゃないなぁ。金粉を塗られるシャーリー・イートンもいまいち。その代わり、ゴールド・フィンガーことゲルト・フレーベ、その手下のハロルド坂田がいいです。

ハロルド ハロルド

特に金庫の中での二人の対決があるからこそ、このブルーレイを買う価値があるのです。
対決中は音楽がなく緊張感あります。

ハロルド

当時のポスターがこれ。

ポスター

公開当時、道路の電柱にくくりつけられた看板に貼られていたのがこれ。ワクワクしたなぁ。

ポスター

こちらは外国版。映画をよく表現しています。かっこいい。

 


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