[ 神原通信 ]

 

2018年12月14日(金)

<ツタヤがない2>

 高田君、こんにちは。

 先日、仕事の休憩時間に駅前のツタヤへ行ってみたら、なんと「12月末で閉店します。」の掲示がありました。ついにここも閉店です。君んとこもなくなったと言ってたけど、もう自転車で行ける範囲にはレンタルショップがなくなっちゃいましたねぇ。以前(カンテ時代)なら仕事の帰りに途中下車してツタヤとかゲオとかに借りに行ってたけど、今は定期もないし、確実に「映画はネットで観るもの」になりつつありますね。

 で、焦った僕は、ツタヤにしかない「発掘良品」のコーナーへ行ってみたんですよ。結構渋いのがあったりするから。僕の趣味的には、ブレイク・エドワーズの「ペチコート作戦」とシドニー・ルメットの「質屋」があったのでこれは借りるとして、あと2本見つかれば1,000円で1週間借りられる、ということで、新作はないかな?と探したら「アイ、トーニャ」と「ゴールデンサークル」がありました。

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 さて、1本目は「質屋」。これ、知ってる?1964年製作の白黒映画で、たぶんテレビでやってたのを観たような記憶がある。けっこう暗い映画なんだけど、ロッド・スタイガーの演技が観たくて借りました。
 NYのハーレム(らしき場所)で、質屋を営む主人公がロッド・スタイガー。25年前にアウシュビッツに収容されていたことがあり、そこで両親と妻と子供を亡くし、戦後絶望の中を彷徨い、質屋として生き延びて来た主人公と、彼に関わる人物たちの心のすれ違いを描いた作品です。ロッド・スタイガーはこの作品より「夜の大捜査線」の警官役の方が好きですね。

 2本目は「キングスマン:ゴールデン・サークル」(2017)。前作の「キングスマン」(2014)が面白かったので借りたけど、全然ダメでした。なぜだろう、映画がちっちゃい。描かれている人達も監督も。1作目のあの「師匠と弟子」のような感動的な会話も少しはあるけど、生理的に気持ち悪いシーンがありすぎて、「なぜ人の嫌がるような映像を作るんだろう」と今回も思ってしまいましたね。話も無理矢理だし。もうマシュー・ヴォーンの映画は観ない事にします。

 3本目は「アイ、トーニャ」。面白いとは聞いていたけど、ここまでとは思わなかったぐらい面白い。観た事を人に言いたくなる、というのは久しぶりですね。ドキュメンタリー映画のようなコメディ映画。良くも悪しくもアメリカ映画。役者がいいし、挿入曲も俗っぽくて好きです。なんと、マーシャルタッカーバンドの曲も使われています。こんなの知ってるの日本では僕ぐらいでしょう。(笑)
 「アメリカ人はバカだけどそこが素晴らしい」というような自嘲的な映画なんだけど、僕はそういうアメリカが好きですね。登場人物とは友達にはなれないけど、この映画の監督には人間愛が感じられます。しかし、フィギアスケートのフリーの演技にZZトップの曲を使うなんて、トーニャ・ハーディングすごすぎます。
 この前観た傑作「スリー・ビルボード」とは扱っている世界の次元が違うけど、この映画の方が僕に近いですね。

 さて、4本目は「ペチコート作戦」(1959)。これも昔テレビで観ましたね。良くも悪くもハリウッド映画。僕はこういう映画を観て育ったんです。でも、今回観てみると、ブレイク・エドワーズがハリウッドに作らされた映画っていう感じがしましたね。なんか特徴がない。ケーリー・グラントが好きだからある程度観られたけど、あまりに能天気すぎて、今こんな映画作っても誰も納得しないだろうなぁ。コメディだから許されるっていうものでもなく、観ている時間がもったいなくなって途中で早送りしました。ラストも残念な終わり方でした。

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 ところで、ニール・ヤングの「Year of the Horse」買いましたよ。今度貸しますね。
クレイジーホースの連中と本気で口げんかしてるとこが面白い。(笑)

 

2018年12月13日(木)

<業者のひと>

 今朝、マンションの電子ブレーカーを新設するために来られた業者のおじさんに、すごく丁寧な挨拶をしてもらってちょっと恐縮しました。ま、業者の人は概ね丁寧なんですが、今日のおじさんには、ちょっと大げさですが、心を洗われました。
 「このマンション、きれいにされてますね。」
 ありがたいお言葉。
 おじさんの言葉やニュアンスを文章で伝えられないのが残念です。
 共用トイレが管理員室にあるので、僕が外で仕事をしている時に使いたくなったら困るのでスペアキーを渡したんですが、その時も「貴重品は部屋には置かないようにしてくださいね。」とまた丁寧に言われました。僕もこんな丁寧な挨拶ができるようになったらいいのになあと思いました。

 お昼過ぎ、植栽担当の業者さんが来られたので管理員室に入ってもらいました。
「久しぶりに巡回に来ましたけど、ツワブキの黄色い花が満開ですねぇ。」
「そうでしょ。近所の人にも褒められたんですよ。」
 業者さんの中ではこの人が一番僕と相性が良くて、色んなことを話せます。
 ひととおり、マンションの植栽のこととか散水の話をしたあと、
 「じゃあ、これからマンションの中庭をちょっと巡回してみます。」 
 「その間に、珈琲の準備をしておきますね。」と僕。

 巡回から帰って来られて「紅葉がいい感じに色づいてますねぇ。」
 なんだか自分の家を褒められているような感覚に陥ります。
 「これ、3週間前に玉造で買った豆なんですけど、おいしいですよ。それに、ラッキーですよ、これが最後の1杯ですから。」
 「そんなのもらっていいんですか?」
 「1.5杯分作りますから、僕はちょっと味見にもらえればいいです。」
 「おいしいなあ。」
 人が笑顔になるのを見るのは楽しいもんです。

 話は珈琲談義から焼酎談義に。

 「総持寺に白菊屋っていう焼酎専門店があるので、行ってみてくださいよ。ここはすべて定価だから買いやすいですし、黒糖焼酎の一番橋がお勧めですよ。」
「今度茨木に仕事に行ったついでに行ってみます。今日は色々と情報ありがとうございました。」

 夕方、立体駐車場の定期点検があって、操作盤の液晶パネルに細かいキズがたくさんあるのに気づき「たぶん、車のキーで操作してるのでキズつくんでしょうね。穴が開いたら雨水が入って来て故障の原因になりますね。」
 「分かりました。住人の方にお伝えしておきます。パネルを交換するまで、スマートフォン用の保護フィルムを買って貼っておきます。」
 その作業員の人もよさそうな人でした。

 


 

2018年12月12日(水)

<今日はジンジャーチャイ>

 本格的な寒さがやって来た今週から、仕事場ではレッグウォーマーを履いて仕事をしています。管理員用の制服では足下がスースーするので、去年ウチの奥さんに買ってもらった婦人用のものを身に着けています。これけっこうあったかい。もう少し寒くなったら、足温器を買おうとも思っています。靴を脱いでスポッと足が入るようなものなんですが、仕事しにくいかな?とか、でも誰も来ないしいいかな?とか、これはこれで悩ましい。

 さて、もうひとつ足をあったかくするもの、それにはジンジャーチャイが有効なので、昨日スーパーで土しょうがを買って、今日仕事場に半分持ってきました。小さなタッパーに入れて。

 お昼の掃除が終わった2時頃、タッパーから土しょうがを取り出し、セラミックの小型のおろし器で適当に擦りおろします。おもむろに手鍋を出し、グラス一杯ほどの水を入れ、擦ったしょうがを投入。茶葉はティースプーン軽く1.5杯。
 茶葉のエキスが出たら、魔法瓶に入れて来た牛乳を加えます。甘辛いジンジャーチャイをたっぷり飲みたいので、出来上がりを想像して、色を見ながら今日は少し牛乳を多めに入れました。
 強火で沸騰させてから火を弱め、じっくり泡を出しながら煮ます。あっさりと仕上げ、三温糖はいつもより多めに入れます。しょうがの辛さは砂糖が多い方が効くので。
 今日はマグカップにたっぷりのジンジャーチャイを頂きました。

 1時間ぐらい経っても、足はしょうがが効いているのか冷たくなりません。



2018年12月11日(火)

<久々のフルーツケーキ>

 年末のイベント用にフルーツケーキを作ってみたくなり、久々に(5年ぶりかな)小嶋ルミ先生の「おいしい!生地」を本棚から取り出して準備を始めました。

 まず、ケーキを作る前にレーズンをラム酒に1週間漬け込んでおきます。その間に、他の材料をあちこちで買い揃えます。
 ドライクランベリー、ドライアプリコット、ドライプルーン、くるみはダイエーで。
 グラニュー糖(微細)は成城石井で。
 薄力粉はバイオレット、無塩バターは雪印、それと卵は近くのライフで調達。

 1週間後、土曜日の午前中にまず、20cmのパウンド型2台分を作り始めました。バターは、1.5cm厚に切って皿に並べ、ラップをして電子レンジで約20℃に温め、卵は湯煎で30℃に温めます。(刺して計る温度計を持っています。)ドライフルーツはぬるま湯で戻し、小さくカット。溶かしたグラニュー糖とラム酒を混ぜておいて、出来上がりにケーキに染み込ませます。

さて、作り方を少々・・・

★深いボウルにバターとグラニュー糖を入れてゴムベラですり混ぜ、ハンドミキサーでふわふわになるまで泡立てます。

★卵を4回に分けて加え、ハンドミキサーの高速できめの細かいクリーム状にします。

★振るった薄力粉を混ぜ、粉気が消えてからさらにしつこく混ぜ、ツヤツヤの生地を作ります。

★ドライフルーツとクルミを混ぜて、これもしつこく混ぜるとツヤツヤのピッカピカの生地ができます。これを型に入れパンパンと下に落として空気を抜き、170℃で温めておいたオーブンレンジで約40分焼くと出来上がり。(最初、本のとおりに180℃で焼いていたら、途中で上が焦げて来たので、急遽温度を下げて170℃に変更し、串を刺してみて生地が付いて来なくなったらストップしました。)

★型から出す時ちょっと失敗して割れましたが、それは味見用にすることにして、シロップを塗りたくり、完全に冷めてからラップをしてタッパーにしまい冷蔵庫へ。(フッ素加工した型だったので、紙を敷かないで焼き上げたのが失敗の原因ですね。やっぱり紙は必要です。)

★その日の午後、同じ工程をもう一回。かなり根気のいる作業ですが、つやつやの生地が自分でも出来るというのが分かると楽しいもんです。

 小嶋ルミ先生によれば「いただくのは2週間後が特におすすめ」とか。それまで、冷蔵庫でじっくりと寝かしておきましょう。食べるのが楽しみです。

 

 

2018年12月10日(月)

<適当にチャイを作ってみた>

 年末のイベントにチャイで参加する事になりました。
 とある「カレー教室」で参加者がカレーを作ったあと、僕の指導のもとに作ったチャイと僕の作ったケーキでお茶会をしようと、そういう企画です。
 メインは「カレー作り」なので、僕のチャイ講座はちょっと今までのワークショップとは違う事をしようと考えました。いつも使う計量器やタイマーを使わず、参加者にアバウトでチャイを作ってもらうというものです。

 ということで、自分の飲むチャイを作るときでもいつもは使う計量カップを使わず、アバウトでチャイを作ってみる事にしました。

 チャイグラスの7分目の水を手鍋に入れてスプーン1杯の茶葉を入れ、IHのスイッチオン。
 十分煮てから牛乳をパックから適当に流し入れ、泡立ててしばらく煮込んでできあがり。
 グラスに注いだら、なんと計量して作った時と同じ130ccの出来上がりになりました。
 これには僕も驚きました。僕はそこまで(どこまでやねん!)進化していたのか!と。

 調子に乗って2杯点てもしてみましたが、結果は同じ。
 ちゃんと1杯あたり130ccになってました。

 しかし、なんだかつまんないなぁ。と、贅沢な悩みです。
 

 

 

2018年12月9日(日)

<いろいろ観た映画>

 「リビング・イン・ザ・マテリアルワールド」(2011)・・・ジョージ・ハリソン(享年58歳)のドキュメンタリー映画で監督は「タクシードライバー」のマーチン・スコセッシ。ジョージの奥さんが監督に依頼して製作されたみたい。僕は、かつてビートルズファンでした。後年ビーチ・ボーイズに心変わりしましたが、フィル・スペクターのプロデュースしたジョージの曲は今でも好きです。そのジョージの曲ができた経緯とか、ビートルズ4人の関係性とかが知りたくて観てみたのでした。
 映画は2部構成(208分)で第一部が「ビートルズ時代」第二部が「ソロ時代」。デビューしたての頃のビートルズの笑顔は屈託がなくて観ていて清々しい気持ちになるけど、成長とともにどんどん悩みが増えていくのは、色んな情報を得た今、分かってはいても観るのが辛い。特に映画「レット・イット・ビー」の中での録音中のポールとジョージとの言い合いは、両者の気持ちのすれ違いが痛々しい。
 ソロになってからの彼は、悩みを歌にぶつけるかのようにいい曲をたくさん書くんだけど、ある時から吹っ切れたように明るい曲を書くようになる。と同時に印象に残る曲がなくなった。「All Things Must Pass=万物は流転する」ことを悟ったのだろうか。激情型の曲を作らなくなったあとに、あるインタビューでの「これから何かやりたいことがありますか?」という問いに、しばらく考えてから「(目的や目標がなくても)これからも生きていくんだし、何かしらやっていかないとね。」と軽く答えるジョージの言葉が耳に残った。


 「鉄道員(ぽっぽや)」(1999)・・・最近、高倉健がとても気になっています。高倉健が亡くなったあと、テレビ等で彼に関わった人達のインタビューの中で、必ず彼の事を「憧れと畏敬の念」を持って語られるのを何度も見ていたので、「そんな人に僕も会ってみたかった。」と思うようになったからです。プライムビデオで「健さん」というドキュメントを観てその気持ちが強くなり、少しずつ彼の映画を観てみようと思い、まず観たのがこの映画。
 今までの僕だったら絶対観ない映画(御涙頂戴映画)なんだけど、ここでの健さんの演技は映画を越えて「孤高の高倉健」を垣間みる思いがしました。抑えた演技、独特の間、時々しか笑わないけど笑った時の豊かな表情。特に小林稔侍とのエピソード(お決まりのパターンなんだけど)には思わず泣かされました。

 

 「Switch/素敵な彼女?」(1991)・・・監督はブレイク・エドワーズ。僕と同世代の洋画ファンなら絶対知っている名監督ですね。だけど、僕の知らない彼の映画がプライムビデオに出ていたので、話の内容も分からず観てしまいました。結果は、「面白かった」。
 男と女が入れ替わるという映画はたくさんありすぎて食傷気味ではありますが、これは別格です。主演のエレン・バーキンの「男の演技」が素晴らしく、後で知ったんだけど「ゴールデングローブ賞」にノミネートされたという話に納得。ブレイク・エドワーズは2010年に88歳で亡くなったそうですが、この映画を撮ったのは69歳の時。派手な映画ではありませんが、演出力は衰えていません。

 「暗闇でドッキリ」(1964)・・・ブレイク・エドワーズが42歳の時に撮った映画。この前年「ピンクの豹」を撮っていて、その中のキャラクター:クルーゾー警部のスピンオフ映画がこれです。高校生の頃テレビでこれを観て熱狂的ファンになりました。タイトルバックのアニメが素晴らしく、音楽もヘンリー・マンシーニだし、エルケ・ソマーが色っぽいし、ピーター・セラーズの「ドジさ」が最高です。後年、クルーゾー警部のリメークが作られましたが、ピーター・セラーズの演技には遠く及びませんでした。


 「ティファニーで朝食を」(1961)・・・ブレイク・エドワーズが39歳の時に撮った映画。1958年に発表されたトルーマン・カポーティの原作の映画化で、Wikipediaにはこう書かれています。
 「ティファニーに資本主義の繁栄を象徴させて自由の貴重さを描いてみせるトルーマン・カポーティの原作とは異なり、映画は主人公と語り手の作家との恋を中心に描いている。
 カポーティは、マリリン・モンローを主役にすえることを条件に、映画化を了承した。ところが、出演オファーを受けたモンローは、娼婦役を演じることが女優としてのキャリアにマイナスになると考え、出演を断った。セックスシンボルと呼ばれることに強い抵抗を感じていたモンローは、これ以上、イメージが固定化することを嫌ったとされる。
 こうして、モンローとはまったく個性の異なるヘプバーンが主演を務めることになった。モンローのイメージに合わせて書かれていた脚本は、急きょヘプバーンの魅力が生かされるように書き直された。カポーティはヘプバーンが映画に主演すると聞いて、少なからず不快感を表したと伝えられる。」
 僕はこういう裏ネタが大好物です。
 この映画、ファンタジー過ぎて「ありえへん!」の連発なんですが、そこをうまくかわして楽しませてくれるのは監督のセンスでしょうか。オードリー・ヘプバーンが美人すぎて、これも「ありえへん!」ですが、彼女を観るだけでも価値があります。しかも、「ムーンリバー」名曲です。ヘンリー・マンシーニ、天才です。


 「あなたへ」(1992)・・・洋画ファンの僕がこんな純和風な映画を観るなんて僕自身信じられませんが、渥美清の寅さん映画と同じく、高倉健を観る事に意義があるのです。それにこの映画には大滝秀治が出ていていい味出していますが、この映画を最後に亡くなられました。今となってはその事を知っているから尚更感動し、不覚にも泣いてしまいました。それにしても高倉健の演技は素晴らしい。当時80歳前後だと思うけど、まさに昭和のスターです。オーラが違います。ひとつひとつの演技に魅入ってしまい、時間を忘れました。周りの役者たちも健さんに影響されたのか素晴らしい映画になっています。ああ、本当に一度でいいから健さんに会ってみたかった。そんな思いにかられる映画です。挿入曲も耳に残ります。


 

2018年12月4日(火)

<チャイグラス>

 インドに「チャイグラス」という商品名のものはなく、インドから仕入れた「グラス」を日本で「チャイグラス」という言葉に変えて定着させたのは、カンテでしょうね、たぶん。

 じゃあ、カンテでは、グラスを使う前は何を使ってたのかというと、これです。

そば猪口

 これは、井上さん曰く「鳥取の作家、吉田さんだったか、今はとても有名な陶芸家で当時一つ800円でした。今は金額が十倍になってしまいましたが。頑張って800個注文しました。今は全部なくなり、この一つだけ残っています。」ということで、お借りして撮影したのが3年ほど前かな。僕がカンテに入った時には、もう残り少なくなってたので、懐かしかったです。ただ、井上さんが持っていたのは背の低いもの(サンプルかな?)で、実際はもう少し背が高かったので、Photoshopで画像を変形させました。だいたいこれぐらいはあったと記憶しています。

 その頃(1980年頃)、井上さんによるカンテの「インド化計画」は着々と進み、メニューにベジタブルカレーやサモサを加えた後に登場したのが、「グラスで提供するチャイ」でした。
 その頃のチャイグラスがこれです。

チャイグラス1

 ちょっと明るい緑がかった色で、気泡がたくさんありますね。入っている水の量はチャイの1杯点て用の分量で、昔は何ccとか言わずに「グラス7分目」と言ってましたね。それはなぜかというと、インドにグラスを注文したら、その都度、微妙に違う物が届いたからです。その証拠はこれです。

チャイグラス2

 同じ高さのものを注文しても、これだけ違います。底の厚さ、横のラインの位置の違いによって微妙に出来上がりの分量が変わってきます。この当時のグラスでの出来上がり分量は、大体140ccぐらいでした。チャイを作る人によって、150cc、つまりラインより上に来るように作る人がいましたが、井上さん的には「それはダメ」で、「ラインに来るように作るとおいしくなる」と明言していたので、僕はそれに従って今でもラインに来るように作ります。
 ちなみに、上の写真は何用に撮ったのかというと、「図解:おいしいチャイの2杯点て」用に撮ったもので、そこで使う水と牛乳の量です。2杯点ては、僕は必ずこれを目安に作っていました。「神原部屋」でチャイを飲んだ事のある人は、思い出してください。

 ある時、底の細いグラスが届いたことがありました。ものすごく安定が悪く、インドのお皿に載せたらもっと安定が悪くなり、アルバイトの男の子がテーブルに置こうとして運悪く、お客さんのジーパンの上からチャイをかけてしまったことがありました。急いで手当をしましたが火傷になってしまい、慰謝料を払ったことがありました。

 なので、以後、インドにグラスを注文する時は、こんな風な注意書きをしてみました。

チャイグラス3

 届いたものは、寸法は同じでも、上記のような違いがどこかあるものばかり。ま、インドも商品改良というものをするわけで、「前回と同じ物を送れ」って書いても、同じものがもうなかったりするわけです。品質的にも気泡がなくなり、丈夫になり、梱包もしっかりとしてきて最初は、半分ぐらい割れていた物が、20年もすると、ほとんど割れなくなったりしてました。

そして、10年ほど前から使っているのがこのタイプ。

チャイグラス4

 一回り小さくて、色も渋めの緑色になりました。容量は200ccで、横のラインまで水を入れると130ccになりました。昔のグラスは冬に熱湯を注ぐと温度差でよく割れていましたが、今はそんなグラスはなくて割れることはなくなりましたが、輸入しづらくなっています。商品よりも運賃が数倍高くなって、今では販売できなくなっています。原因はガソリン代の高騰だとか。僕がカンテを辞める時に15個ほど買いましたが、やっぱりグラスなので、すこしずつ割れていってます。
 代わりのものを探しましたが、結局、僕は今でもこれを使っていて、僕の本「チャイの旅」に登場するレシピはこのグラスを元に書かれています。出来上がりの分量を130ccにしているのは、このためです。

 

 

2018年12月3日(月)

<ルフナ・デ・チャノムノンスキー>

 先週買った茶葉「ルフナ」で再度チャイに挑戦しました。

 今日は、ルフナ1.5gにCTC紅茶2gを足した3.5gを使って、チャイを作ってみました。
 予想通り、僕の茶葉で作ったチャイに近づきましたね。
 もともとルフナが持っている紅茶の風味がCTC紅茶によって際立ってきたようです。ちょっとミルクが勝ってるかもとは思いましたが、なかなかいけます。

 これで、もしカンテの茶葉がなくても、ルフナで代用できることがわかり、ほっとしています。あとは、これをどうやってリーズナブルな価格にするかちょっと検討してみます。

 

 

2018年11月30日(金)

<『ディンブラ』の「ルフナ」届く>

 神奈川県にある紅茶専門店『ディンブラ』で扱っているスリランカ産の茶葉「ルフナ」を買ってみました。
 カンテのチャイ用の茶葉「フラワリー・ファニングス」が遅れて入荷したこともあり、将来のためにもカンテの茶葉に代わるものとして何か無いかな?と探して、『ディンブラ』の「ルフナ」を買ってみようと思ったのです。

 なぜ、スリランカ産にこだわるのかというと、風味ですね、やっぱり。
 インド産(あるいはケニア産)のCTC紅茶は、製造上の問題で風味に乏しいのが一般的。最近の情報では「CTC紅茶でも香りのよいものが出回っている」とは聞きますが、高級茶葉としての扱いかもしれず(例えばドイツの紅茶とか)、僕はお目にかかった事がありません。なので、昔ながらの方法で製茶しているスリランカの低地産を求めるわけです。一度、このスリランカ産の茶葉を使ってしまうと、CTC紅茶だけでチャイを作ろうとは思わなくなるはずです。そんな茶葉なので、一度も使った事がない人は注意が必要ですよ。後戻りできないですから。(笑)

 この『ディンブラ』の「ルフナ」、特別にチャイ用として売っているわけではなくて、基本、ポットで楽しむ用のもので、アレンジティーとして手鍋で作る方法もパンフレットには書かれてはいますが、グツグツ煮込むやり方ではなくて、沸騰直前で火を止めるレシピです。紅茶専門店らしいオーソドックスな提示の仕方ですね。

 で、僕が使ってみた結果から言いますけど、カンテの茶葉に比べて「パンチ」が足りません。これはけなしているのではなくて、目的が違うので、その点誤解の無いように。

 茶葉は大きめのBOPタイプ。(BOPでも地区によって色々と大きさが違います。)
 チャイに使うにはすり鉢で擦ってもう少し細かくしたほうがいいかも。そのままを3g使うと色が薄いので、最低でも4gは必要ですね。茶葉の煮出しに3分、牛乳を足してから3分煮込むといつもの僕のチャイができるのですが、茶葉が水を多く吸ってしまったようで、出来上がりが少し少なかったので、いつもより10〜20cc水を多くする必要があるかも。

 香りはまあまああるほうで、今まで試したルフナの中では上(じょう)の方です。ただ、カンテの茶葉にあるティップス(白い芯芽)がないので、これが香りに影響しているようですね。ティップスが多いほど香りが際立つことを何回もカンテで経験してますから。
 100gが税込で1,100円。安い金額ではありませんが、香りの良いものを求めようとすれば、これぐらいは仕方がないのかもしれません。そんなに、大量に売れているわけでもないでしょうから、原価も高いはずだし。

 カンテの茶葉を知らなければ、この「ルフナ」を使ってチャイを作る事には何の問題も無く、美味しくできるはずです。(僕がこれだけ褒める事は滅多にないので、『ディンブラ』の方、暴言をお許しください。)

 これで、もしカンテが茶葉の輸入に遅れが出ても、僕のワークショップは開けますね。
 が、販売はできません。金額が高過ぎて。(笑)

 もう一軒、「ルフナ」を売ってるところを知っていますが、(そこは卸専門で小売りをしていないので、お店の方限定情報なのですが)、欠点は茶葉が大きい(OPタイプ)ので、チャイ用としては扱いが面倒なこと。

 やっぱり、カンテの茶葉が(「チャイには」という限定付きですが)一番美味しいので、カンテさん、茶葉の輸入は止めないでね。お願いします。

 あっ、僕のブレンド茶葉はカンテ以上に美味しいし、何よりも扱い易いし、コストパフォーマンスも高いですから、そこんとこよろしく。

 アフターケアもできますし。(笑)
 

 

 

2018年11月29日(木)

<突然「リューロ清澄白河」を思い出す>

 先週の土曜日、弟子のイソノさんがコーヒーに詳しいというのを知り、「コーヒーツアー」のコンダクターをお願いして、あちこち車で案内してもらいました。

 まずは、本町の「コロンボコーナーショップ」という古本屋さんへ。

 ここはなぜ来たのかと言うと、瓢箪山にある「マウンテン」という珈琲焙煎専門店のコーヒーをテイクアウトで出しているそうで、ツアーの導入部としてここを選んでくれたというわけですね。イソノさんはお店の方と面識があり、僕のことを紹介してくれたし、カンテの話になって、そこで働いていた磯谷さんの近況を教えてもらったりしました。店内の本を見ると、僕が学生の頃よく目にしていた本がたくさんあって、お店自体になにやら同類の匂いを感じ取りました。

 店主としばらくお話をしたあと、次は瓢箪山の「マウンテン」へ。近鉄奈良線の瓢箪山に来たのは初めてで、かなりローカル色が濃い町でしたね。近くの図書館に駐車して、歩いてお店に。表からは珈琲豆しか売ってないように見えましたが、奥にカウンターがありました。
 メニューを見てびっくり。手書きの上にコーヒーの種類がびっしり。それに安い!

 初めて訪れる珈琲屋さんでは「ブレンドを注文することに決めている」のですが、一応念のため、お店の人に訊いてみました。

「ブレンドにマンダリンて入ってますか?」「入っています。」

 やっぱりなあ。年季の入ったお店はどうしてもマンダリンを入れてくるんだよな。でも僕はマンダリンが好きじゃないしなぁ。というわけで、ブレンドは止めて、

「じゃあ、単品で、深煎りってどれですか?」

「ブラジルのこのハード系か、コロンビアのこのフレンチ系ですね。」

「じゃあ、コロンビアのこれでお願いします。」とメニューを指差す。

 カウンターの中には、ずらっと1杯点て用のドリッパーが置いてある。

 イソノさんはブレンドのハードを頼んだので、お互いのを味見することにしました。
 どちらも、想像していたものとは違って薄味でしたが、飲みやすい味ではありました。

「地元の人にあわせてあるんでしょうかね?」とイソノさん。

「そうかもね。」と店内を見回す僕。

 帰りに豆を買おうとショーケースを見てみたら、一番豆が汗をかいてたブレンドのフレンチローストを100g買って、次のお店、玉造にある「ヒロフミ・フジタ・コーヒー」へ。

 ここは「お洒落系ですが、時折コーヒーのドリップのワークショップなどもある」そうな。
 イソノさんは店主の方と顔見知りのようで、「なにげなくテイクアウトをして飲んだら美味しかったので、後戻りして豆を買った」ほど美味しかったそうです。

 この日は残念ながら満席だったので、豆だけを買って帰ろうとしたんですが、200g買うとフレンチプレスのコーヒーを紙コップ一杯サービスしてくれるというので、豆を2種類各100gを買った後に、僕はコロンビアの深入り豆を、イソノさんは同じくコロンビアの中煎りを淹れてもらいました。
 フレンチプレスは飲まないと伝えると、詳しく説明してくれて、「フレンチプレスは100℃で淹れたほうが香りが立つからおいしいんですよね。」と教えてもらい、出来上がったコーヒーを飲んでびっくり。イソノさんと顔を見合わせ「美味しいなぁ!」と。香りもよくて味も濃くて大満足でした。(ただ、最後の一口、豆のカスが余計かな。フレンチプレスだからしかたがないけど。)

 もう外は暗くなって、もう一軒行こうとしていたお店は諦めて次に回す事にしてお開きにしました。阪急の曽根駅まで送ってもらう途中色々と話をしたんですが、まだまだ話足らない弟子と師匠。「次回は来年になるけど、また行きましょう。今日はありがとう。」と礼を言って帰りました。

 さて、翌々日、買って帰った豆3種をテイスティング。(なぜ、翌々日なのかというと珈琲の道具は仕事場に置いてあるので。)

 「マウンテン」のブレンドは、美味しいけど失敗しました。やっぱり、マンデリンが苦手なことを再認識しただけです。それに、粉が膨らまないので、焙煎したてではないのが判明。

 次は、「ヒロフミ フジタ」の「グアテマラ」を。僕はグアテマラが好きなので買ってみたんですが、「土曜日に焙煎した」って言うのをのを聞いたから、月曜日ぐらいが一番美味しいかもと思い淹れてみましたが、う〜ん、やっぱりグアテマラ美味しいですね。でも、もう少し深い方がいいかな。

 さて、最後は「ブラジル」。15gを使って中挽きし、ドリップで1.5杯分 :210ccを抽出。
 僕の珈琲の師匠:松田さんからもらった、大きめのアラビアのマグカップに注いで飲んでみた。

「そんなバカな?!」

 なんと、あの東京のシェアホテル「リューロ清澄白河」の2階にあったカフェレストラン「ピットマンズ」で飲んだモーニングの珈琲と同じ味がしたのです!

 あそこで飲んだ珈琲が忘れられずにいたのに、ここであの珈琲に出会うとは。同じ豆を使っているはずがないのに。
 あそこで使っていた珈琲カップも忘れられない。
 よく湯煎された、おお振りの深いブルーのマグカップに、並々と注がれた珈琲を一口飲んだ時のあの感動。

 珈琲も焙煎具合がいいとか、味がいいだけではつまらない。

 少し肌寒い気温、カップの重みと色合い、口当たり、飲み頃の温度がマッチした時、最高の瞬間が訪れるのです。

 紙コップでも、シチュエーションが整えば最高の1杯になる。

 今回の珈琲ツアーで学んだことです。

 

2018年11月27日(火)

<今年のベストショット>

ちゃうやん
<大魔神 怒る>

 

緊張
<震えてチャイをこぼす神原>

 

 

2018年11月26日(月)

<チャイの茶葉届く>

 先々週にやっとカンテ・グランデから茶葉が届いたので、溜まっていた納品分を発送したら茶葉が足りなくなり、再度発注をかけて、やっと昨日追加分が届き、明日の発送分で一応注文分はすべて発送し終わることになりました。ふ〜う。

 さて、そのカンテの茶葉ですが、僕の場合、届いた茶葉をそのまま別の茶葉とブレンドしているわけではなくて、一旦茶葉をフードプロセッサーにかけて少し細かくしてからブレンドしています。その細かさは、長年の勘によるものなので言葉では説明しにくいのですが、細かすぎず、大きすぎず、ま、微妙です。

 なぜ、細かくするのかは、前回のブログで書いたんですが、何の根拠もなしに「渋みが和らぐ」というのを信じているからです。それに細かくした方が、成分が出やすいというのもありますね。ただし、CTC紅茶には、そんなことをしたことがありません。そんなことをしなくても元々それほど渋みはないから。(ちなみに、カンテでは、茶葉を細かくする事を『ダストする』と言います。) 

 フードフロセッサーを使う前には小型のコーヒーミルを使っていたことがあります。もっと前はすり鉢を使って、その日にチャイに使う分を早番のホールの人が擦っていました。
 ですが、カンテのチャイが流行り出して、あまりの忙しさにすり鉢では間に合わなくなり、コーヒーミルを使うことに移行しました。

 ただし、コーヒーミルの欠点は「細かくなりすぎる」ことでした。
 ある日のこと、イーマ店に中津店からヘルプに出たバイトの西山君が僕に電話をしてきたのです。

 「神原さん、イーマ店のチャイ用の茶葉をみてびっくりしたんですけど、茶こしをすり抜けてしまうぐらい細かすぎるんです。これなら、ダストしない方がまだましです。中津店のように、神原さんがイーマ店のもコーヒーミルで挽いてくれませんか?」って。

 その茶葉を見て僕もびっくりしました。紅茶とは思えないぐらいパウダー状になっていたからです。「だれやねん、こんなことしたの!」とは思いましたが、イーマ店はアルバイトが多過ぎて、誰がその日に茶葉を細かくするか分からないらしいのです。それが全く紅茶に関心のないバイトだったら、「細かくしろ」と言われて細かくしたら「怒られた」ということなんでしょう。誰でもが同じようにダストしていると思っていた僕がバカでした。なので、イーマ店の分だけは僕が中津店のと一緒にダストすることにしました。

 さて、小型のコーヒーミルではあまりに時間が掛かりすぎるということで、次に考えたのは大型の電動ミルを珈琲屋さんから貸してもらって挽いてみた事がありましたが、これはコーヒーミルの刃に負担がかかりすぎるようで可哀相になったので止めて、最終的に考え出したのがフードプロセッサーです。これなら、かなりな量を挽く事ができるし、それほど刃もいたまず、それになによりも細かくなりすぎないということでした。いくら回してもパウダーにはなり得ず、これなら誰でも使う事ができるし、卸先の人にも勧めたほどです。(実際に使ったかどうかは報告はありませんでしたから、そのままダストせずに使っていただいたのかもしれませんが)。

 結局、僕はカンテを辞めるまでずっとチャイ用の茶葉をダストし続け、そして、辞めてからもカンテから茶葉を買い込んで、フードプロセッサーも買って、茶葉をダストし続けています。

 僕は世界で一番茶葉をダストしている人間としてギネスに載るかもしれません。
 そんなバカなことを考えるぐらい、カンテの茶葉が好きなのです。



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