前説と目次

僕が写真を撮り始めたのは20歳の頃です。高校生の頃から写真を見るのは好きでしたが、それ以上に好きだったのが映画(洋画)で、学校の勉強そっちのけで映画のことばかり考えていました。
映画に関する写真をスクラップするようになると、どんどん写真が溜まっていく。→全部を取っておく事ができなくなると厳選された写真だけが残る。→その中に有名な写真家が撮ったスターの写真があったりすると「写真てすごい!」ことに気づかされることになり、今度はその写真家の作品をスクラップすることになる。→やがて自分も写真家を目指してカメラを買う事になる。

だけど、買ってから気づく。「何が撮りたいの?」と。カメラが欲しかっただけだと。

それから5年、やっと撮りたいものに巡り会ったのが「アメリカ西海岸」でした。
ファインダーを覗くと今まで観てきた映画の世界が見えたのです。
自分の抱いてきた映画への想いが見えた時、シャッターを押しました。
自分の気に入った写真が何枚も撮れました。
人に見せるための写真というより、自分が観て楽しむ写真でした。

それからまた5年。友達から借りたクローズアップレンズで撮影した小物に魅了されました。
クローズアップすることで今まで見えなかった表情が見えてくる。角度が少し変わるだけで表情が全く違う事に気づきました。相手は「動かないもの」なので、こちらが動いて表情を探し、今の自分の気持ちをその「動かないもの」に託すことができることを知りました。

小物を撮り続けて15年、世間的には「おもちゃのブーム」が来ていたので、僕もその波に乗っておもちゃを買いあさり、そのおもちゃの写真を培った技術で撮る事で誰かとコミュニケーションしようと思いました。「カンテ・マガジン」の「Goods Club」はその格好の場所でした。
見せて楽しむ写真です。

さて、写真を撮り続けて30年が経ち自分の写真に限界を感じ始めた頃、他人の写真を借りて自分の写真にするという「楽しみ」を思いつきました。
これはどういうことかというと、技術のない人が撮った写真をお借りして、その写真の中に自分の見たい、あるいは表現したい部分を見つけて、それをトリミング&レタッチすることで作品を作る・・・だいたいこんな「遊び」です。

こんなことやってて、僕は写真家になれるんだろうか?(笑)

ま、いいや。こんなことやってるの僕しかいないだろうし、それでいいかなと。

先日、写真仲間の松田さんんと話をしていて

「" Canbara Magazine "には写真が少ないですよね。なんか載せて下さいよ。」

「写真が少ないのは、最近、いい写真が撮れなくなったからなんです。
集中力がなくなったのかも。これぐらいでいいか、とか思うと写真はダメですね。」

「昔の写真でもいいので載せて下さい。」

そうですね。新しい写真に出会うには、過去の写真を見直すのがいいのかも。
そうして始まったのがこのコーナー。
自分が撮った写真なのに、時々はっとさせられる瞬間があったりします。

やっぱり写真って面白い。



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