01 ・・・嘉義・阿里山高山茶(ありさん・こうざんちゃ)

 台湾茶と言えば、筆頭に上がるのが阿里山茶。せっかくなので、市街地の嘉義から、阿里山の頂上付近までクルマを飛ばして行ってみることにした。

↑嘉義の市街地でレンタカーをゲット。台湾を巡礼し、帰りは桃園空港付近で返却。

 嘉義から阿里山まではクルマで片道約2時間。延々と省道18号線を登っていくのだが、この道路沿いには、無数の製茶工場やらお茶屋さんやらが立ち並んでいて、テンションが上がってくる。ただし、どこの店構えもプロっぽく、僕のような人間がフラっと立ち寄ってもな〜。

↑ここが阿里山の頂上付近。涼しく空気が綺麗で、春先には桜も咲く。

 ということで割と平均的な店構えで、なおかつ観光ズレもしていないようなお店で買うほうが良いということで、阿里山の頂上付近にあった、割ときちんとしたお茶屋さんへ。

↑今回買った阿里山茶(緑茶)を試飲中。

 このお店は安いものから高価なもの、緑茶から烏龍茶までいろいろ飲ませてもらったが、一番香りが良く感じた緑茶を購入。1斤(600g)=300元(約1200円)。神原さんと僕の分を、半分ずつにパックしてもらった。


【1のお茶を飲んでの神原の感想】

★★★★★★★★☆☆

 お茶の感想を言う前に、一言。

 松田さんは、このお茶を「緑茶」と書いていますが、これは「烏龍茶」です。一見緑茶と言ってもいいぐらい日本の緑茶に近い味わいがありますが、お茶の世界では「緑茶は茶葉を発酵させないお茶」、「烏龍茶は茶葉をある程度発酵させたお茶」、「紅茶は完全に発酵させたお茶」と区別しています。

 台湾の高山茶は、発酵の度合いの違いこそあれ、すべて製法は茶葉を発酵させる烏龍茶を基本としています。同じ茶葉でも15%の発酵度と90%の発酵度ではまるっきり味が違ってきます。「ある程度の発酵」というのがあまりにも幅が広過ぎて、それが一般の人には理解しがたい部分なのかもしれません。

「サントリーの烏龍茶」は茶色い色をしていますから、烏龍茶は茶色だと思っている人が多いですけど、台湾の烏龍茶の代表とも言える「高山茶(こうざんちゃ)」は、そのほとんどが発酵度の軽さ(低さ)を売りにしています。高山茶特有の甘い香りは、発酵を軽くする事で生まれてきたと想像されます。

「標高が高い方がおいしい」というアピールです。高い山で採れるから高山茶、分かりやすい。

さて、それでは本題に入りますけど、「この高山茶、ちゃんとしてる」というのが最初の印象でした。
だって、松田さんからの最初のメールでは「お茶のことに関してはド素人」だと書いてたから、もっと変なお茶が送られてくると思っていたんですが、これは全くの正統派。

松田さんの書いている通り、香りがいいですね。水色(すいしょく=お茶の色)が少し濁ってますけど、明るいオレンジ色で見た目もきれいです。5gを150ccのお湯で3分抽出すると渋みが出たので、2回目は2分にしたらちょうどよくなりました。三煎目でも味がへたらず、これで100gあたり200円なら僕は絶対買います!

中国茶のお店のいいところは、試飲ができること。日本茶でも試飲をさせてくれるお店はあるそうですけど、僕はそういうところで買った事がない。日本人の悪いクセは「名前で買う」ことだと僕の親戚の人は言ってました。
「毎日飲むものだから味見をしないとね。もし美味しくないものだったら飲まずに捨てる事になるから。」

それと、日本に入ってきている高山茶は値段のわりには美味しいものがなく、その昔「台湾の人は、おいしいお茶は自分たちが飲みたいので輸出しない」という話を聞いた事がありますが、それって本当かもしれませんね。

【1のお茶を飲んでの松田の感想】

★★★★★★★☆☆☆

緑茶ではあるが、日本茶のようなコクコクの感じはなくアッサリしている。ほんの少し、ほのかな甘みがあって美味しい。飲み過ぎるとトイレが近くなる。





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まつだ・よしひと●1971年・東京生まれ。編集者、ライター、デザイナー。ハタチの頃、トータス松本氏に神原さんを紹介してもらって以来、神原さんに影響を受けながら、何かの折につけアレコレお願いをし今日に至る。著書に「台湾迷路案内〜ガイドブックにあんまり載らない台湾ディープスポット80〜」(オークラ出版)、「らくらく台湾一周旅行」(白夜書房)がある。共著に「日本人_天必_的24小時生活日語」「日語旅遊會話:聽&_自由自在」(ともに台湾・笛藤出版)がある。編集プロダクション・deco(deco-tokyo.com)代表。



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