埔里で紅茶をゲットし、いい気分で南投県の盧山温泉へ。埔里から盧山温泉へはクルマで45分くらい。途中、ヒット映画『セデック・バレ』でも有名な霧社事件の現場、霧社も通る。
この界隈には何度も行っているが、神原さんからの話を聞くまで、この南投県が台湾茶の生産量1位の地とは知らなかった。実際、界隈にはお茶屋さんが少なく、今回も省道沿いを散策しながら走ったが、それらしきものは見つけられず、アッという間に盧山温泉に着いた。
盧山温泉は、山奥の小さな温泉街だが、そこに1軒だけ、いかにも観光用のお茶屋さんがあり、以前買ったことがあった。そのお店に行けば、神原さんに喜んでもらえそうなネタがあるだろう...と思ったが、長時間ドライブで疲れていたので、夜まで温泉と酒を楽しむことにした。
が、これが良くなかったのか、ものすごく酒に酔ってしまい、その状態でお茶屋さんへと向かった。果たして、以前と同じ場所にお茶屋さんがあったが、お店のオバサン、こっちが酔っていることを察してか、ものすごいハイテンションで話しかけてくる。しかも、日本人と知り、とても流暢な日本語で話しかけてくる。
余談だが、台湾では山奥に行けば行くほど日本語が通じる場合がある。山は原住民族が多く暮らすが、原住民の他部落との交流は、いまだに日本語で交わされているケースもあるという。
ここ盧山温泉は、日本人旅行者はあまり来ない場所なので、観光客向けに日本語を操っているというより、やはりネイティブな伝承によって、このオバサンは日本語を話すようだ。
しかし、その話がどうもウサン臭い。「今日、私の友だち日本人遊びにここ来る! 新宿(の人)! その記念に安くする! だからアナタ買う!」。
しかし、このとき、すでに22時を回っており、盧山温泉まで来るための交通機関はなく、友だちの日本人がどうやってここまで来るのだろうか。
ただし、そのオバサンがどこか憎めない感じだったことと、すでに僕はベロベロだったのでオバサンに言われるがまま購入。神原さんと僕用に、それぞれ1斤(600g)ずつ買い、計500元(約2000円)だった。
台湾茶のブランド、梨山茶とあるが、そのオバサンの口調からなんとなくニセモノのような気もする。