08・・・産地不明(中国)・プーアール茶(重新橋フリーマーケットで購入)

前後するが、5&6を入手した重新橋にあった、台湾茶ではない中国茶専門のお店で購入した1回ずつ用のプーアール茶。1パック25粒入って100元(約400円)だった。これを神原さんと僕で分けることにする。

↑重新橋フリーマーケットの中国茶(台湾茶ではない)専門のお店。
ノリでプーアール茶を買った。

 このお店は、かなりマニアックな様相で、大きな丸い包みに入った茶葉の塊が、積まれていて、よくわからずオジサンもなんか怖そうだし、サクっと買ってサクっと退散。



  【8のお茶を飲んでの神原の感想】

   ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

これも「★なし」です。
僕にとっては飲むに値しないお茶です。おいしくないから。
プーアール茶はその昔「脂肪を溶かす痩せるお茶」とか言われていました。
本当にそうなのかは試した事がないので分かりませんが、たぶんウソでしょう。

そして、現在、「黒烏龍茶」とかが流行っているそうな。脂肪を分解するポリフェノールを増量しているようなCMが流れていますが、僕は一度も飲んだ事はありません。意地でも飲まないかも。(笑)
僕は、お茶は身体にいいから飲んでいるのではありません。

僕にとって「お茶」とは「文化」であって、「健康」は結果でしかないのです。
「身体によさそう」とか「脂肪を分解するから」飲むのではありません。
お茶を飲む事で、別世界に浸れるから飲むのです。

プーアール茶は黒茶の一種です。
黒茶はもともと「緑茶を蒸して固めて数年間寝かしたお茶」として珍重されてきました。
渋みの強いお茶を寝かす事によって味がマイルドになった。
僕も昔、2000年頃、1980年に作られた黒茶を飲んだことがありますが、おいしかった。

黒茶はできあがるのに数年かかるので、とても高価です。黒茶=高価という図式ができたころ、その黒茶を手っ取り早く作ってお金に換えようと考え出したのが、黒茶の「熟茶」です。

「熟茶」は、緑茶や烏龍茶や紅茶を湿らせて、湿気のある部屋に置いて麹カビを生やして発酵させます。一見黒茶のような水色をしていますが、味はまったく違います。

「熟茶」が出来たとき、本家の黒茶は同じように思われては困る、ということで「生茶(なまちゃ)」という名前を付けました。

しかし、困った事に、「生茶」と「熟茶」を掛け合わせたような商品もできたのです。
それが、黒茶の「生熟茶」。これがけっこうおいしかったりするからややこしい。

写真の円盤状のお茶は「餅茶(へいちゃ)」といって、3年から数十年かけて作ったお茶なので高価なのですが、やっぱり「ニセモノ」が多いと評判の商品です。

だからよっぽどの知識と年季がないとこういう店でお茶を買ってはいけません。
当てずっぽうでは絶対損をします。

さて、話をプーアール茶に戻します。
日本では、1980年頃「くさいプーアール茶」というのが「痩せるお茶」として最初に紹介されたので、「プーアール=くさい」と刷り込まれましたが、黒茶がすべて「くさい」わけではありません。
その昔、僕も中華雑貨屋「大中」で、200g600円ぐらいのプーアール茶を物珍しさで買いましたが、全然おいしくなかった。
あれは、黒茶の中でも「熟茶」の最下層に位置するものだと後で知りました。

で、、松田君の買ってくれた黒茶の「小沱茶(しょうとうちゃ)」は、そういう昔を思い出させる味だったので、この結果になったという、長いお話でした。


【8のお茶を飲んでの松田の感想】

★★★☆☆☆☆☆☆☆

恐る恐る飲んでたが、匂いがなんか土臭い。もっとぶっちゃけると、なんかトイレのような香りにも思えなくない。しかし、味は確かにプーアールで、体に良さそうだ。...と思い込みたい。



以上、これで8種類のふたりの感想が終わりました。

台湾茶のメッカ巡りと、そこで入手した台湾茶の試飲の様子を書いて神原さんに謹呈したが、「お茶請けのお菓子とかもあるかと思ったら、完全にお茶だけ。しかも、怪しいのばっかり(笑)! ……というところが松田君らしい」と、喜んで くださっているようだ(喜んでないかな?)。
 しかし、これをきっかけに今、僕の中では台湾茶ブームがキテいる。台湾茶を求めて、さらに台湾に行ってみたい。そして、神原さんも最近、台湾に興味を持たれているそうなので、いつか、面白い台湾茶を探しに、ご一緒に台湾各地を巡りたいと勝手に思っている。

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【松田君のコラムを読んでの神原の感想】

僕の中国茶のコラムを読んで松田君が台湾茶に興味を示し、現地でお茶を求めて旅をする。
そのコラムを読んで、僕はまたさらに台湾の烏龍茶への愛を深める事になりました。

台湾の人からいただいた烏龍茶は、凍頂烏龍茶を初めとして30年間で十数種類に及びます。
その中には阿里山茶や梨山茶や金せん茶や高山茶の名前がありましたが、昔は台湾茶の専門書もなく、ただ頂いたものを飲んで自己流に解釈していただけでしたが、今回のコラムは、それをさらに深く、本やネットで系統だてて調べてみようという気にもさせてくれました。

それに加えて「台湾人の人の良さ」が松田君をとりこにしているのなら、僕もその人の良さに接してみたくなりました。

まだ、台湾へ行く決定的な理由は見つかりませんが、そのうち出てくるような気がします。
僕がインドへ行けたのも、カンテと知り合ったのも、必然だったのかもしれませんからね。

それがいつなのかは「神のみぞ知る」なのです。






おわり



まつだ・よしひと●1971年・東京生まれ。編集者、ライター、デザイナー。ハタチの頃、トータス松本氏に神原さんを紹介してもらって以来、神原さんに影響を受けながら、何かの折につけアレコレお願いをし今日に至る。著書に「台湾迷路案内〜ガイドブックにあんまり載らない台湾ディープスポット80〜」(オークラ出版)、「らくらく台湾一周旅行」(白夜書房)がある。共著に「日本人_天必_的24小時生活日語」「日語旅遊會話:聽&_自由自在」(ともに台湾・笛藤出版)がある。編集プロダクション・deco(deco-tokyo.com)代表。



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