[ 『神原チャイ』の真実:前説 ]

 今年(2020年)の1月に[神原通信]で<今日のチャイ>を始めました。僕がどういう気持ちで、どういう風にチャイを作っているのか、日々のドキュメントを伝えたかったから。それに、僕自身も新しい発見があるかもしれないと思ったから。

 そんなことを考えていた2月のある日、知り合いのお店「オーケストラ」から電話が入り、「チャイ用の茶葉が買えなくなった」との連絡があった。そのお店は僕と同じ茶葉を使っていたからです。
 
今まで僕が40年近く親しんで来た茶葉が、入手できない?

 真偽を確かめるため仕入れ先に電話したら「事情があって、申し訳ないけど今後は卸はしない」と言われたんです。どんな事情なのかは話してくれませんでしたが、お店の経営者が変わって、方針が変わったようです。いつかは、そういう日が来るだろうと予測してはいましたが、その日が来てみるとやっぱり途方に暮れました。他では手に入らないそこの茶葉があったから(自分なりの)美味しいチャイが作れていたし、自慢も出来ていたのに。

 当然ながら、通販はできなくなったので止めました。「他の茶葉でおいしいチャイができるんだろうか?出来なければ、もう、チャイを止めようかな」とも思いました。そんな事を悶々と考えていた2月の中旬、テレビ出演の依頼メールが来たんですね。なぜこんな時に?

 「この度、チャイについて番組内でご紹介できないかと考えております。お詳しい方を探している中で神原博之様のお名前が挙がってまいりました。まだまだゲスト様を選定させて頂いている段階ですが、神原様にチャイについてお話をお伺いできないかな?と考えております。」

ピンチの後にチャンスあり。(しかし、そのピンチはまだ続いていたのですが。)

「チャイの事を『(あの)番組』で、他の人にしゃべられるぐらいなら、死んだ方がマシ」と言ったかどうかは覚えてないですが(笑)、「なんでもしゃべります!」と電話で即答しました。後日、担当ディレクター:Kさんと2時間以上(!)の長電話の末、「神原さんで決まりそうなので、打ち合わせに東京まで来て頂けますか?」と言われ、チャイを作る道具と仕込んだアイスチャイを持って出かけたのが2月の29日。
 スタッフの皆さん(4人)にアイスチャイは好評でした。(この時のアイスチャイは、以前の茶葉の残りで作っているので、当然ながら美味しい。)これで、「つかみはOK」。あとは、チャイを作る事2回。ディレクターさんは、番組のどこで、どういう形で、何を見せるかを考えているようでした。その日は、3時間ぐらいで終わり、番組の資料と数種類の茶葉を頂いて帰りました。その中に「神戸チャイワラ」もあったのです。

 3月10日( 放送から2週間前)の本番の朝、9時から14時ごろまで延々とリハーサル。15時からの本番が終わったら魂が抜けていました。(笑)

 番組の中で紹介した「神戸チャイワラ」はおいしいんですが、これだけでは僕のオリジナル茶葉は成立せず、セイロンのルフナはまだこの時点では見つかっていませんでした。

 放送日が決まり、友達関係に連絡していて、こんなことを言われました。
「昔ならともかく、選択肢の広がった今の時代、神原さんの探している紅茶(茶葉)は絶対みつかるはず。」と。なんだか僕もそんな気がしてきました。

 3月24日の「チャイの世界」の放送後も、あれこれと茶葉の候補は挙がっていたけど、まだ新しい「神原チャイ」のブレンドにふさわしい茶葉は見つかっていなかったのですが、そこに1通のメールが。くれたのは、元の仕事場での紅茶の仕入れ先の担当者Sさん。何年かぶりで、今は東京でお仕事をされているそう。「テレビ楽しませて頂きました。面白かったですよ。」「ありがとうございます。あの〜、そちらでルフナを以前買ったことありましたよね?今も在庫ってありますか?」「ございますよ。サンプル送りましょうか?」「お願いします。」

 ベースになるCTC紅茶は確定していたものがあったので、そのルフナとブレンドしてみたら・・・以前の「神原チャイ」にすごく近いものが出来た。さらに濃厚な味が加わったことで、新しい「神原チャイ」が完成。意外だったのは、別ルートでもうひとつ美味しいルフナが見つかり、そちらはかなり高価だったので「神原チャイSP」という新商品になったというわけです。
やっぱり、友達の言ったことが当たったみたい。

満を持して、4月25日から販売が再開した「(NEW)神原チャイ」。
ブレンドには自信がありましたが、受け入れてくれるだろうかという一抹の不安もありました。
だけど、思った以上に感動してくれているメールが多かったのが救いです。

長々と話をしてきましたが、そのメールを、ここで紹介しようということです。

「結局、宣伝ですか?」

「そうじゃないと言っても信じてもらえないなら、そうかもしれないですね。」(笑)

ま、受け取る側の判断次第ですね。

『神原チャイの真実』はこちら

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