神原写真館

その1

photo : kanbara



<グランドキャニオン国立公園 1980>

1980年は僕のターニングポイントの年でした。

前年に会社を辞め、1980年6月に全く業種の違う喫茶店(カンテ)でアルバイトを始め、一ヶ月後の7月には初めての海外旅行=アメリカ西海岸のツアー(一ヶ月間、20名)に参加したのです。(つまり、カンテは次の仕事のつなぎ程度にしか考えてなかったということですね。)

この旅行の後半に、同じツアーの人から3泊4日のオプションツアーに誘われ、アメ車「サンダーバード」に5人で乗り込み、ネバダ州ラスベガスを経由してこの場所「アリゾナ州グランドキャニオン展望台」にやってきたのでした。

僕のイメージしていた「グランドキャニオン」は、何を勘違いしたか西部劇に出てくる「モニュメントバレー」。
岩山がニョキニョキと地面から出ているのを勝手に想像していた僕は、この地面の裂け目を見てビックリ。
なんと一番上の地面が真っ平らなのです。キャニオンとは峡谷のことだと気づいたのはこの時でした。

この地平線はじっとみていると気持ちが悪かった。昔、ここが海底だったこと。その後地面が隆起してコロラド川の浸食が始まってこんな地形ができたらしい。日本は島国だから、地面の上に起伏があるのが普通なので、こういう風景はどうもしっくりこない。何かがあって欲しいのだ。
高所恐怖症の僕は展望台の手すりにつかまったままでしか谷底を見る事ができなかったけど、アメリカ人達は平気で崖っぷちまで行って下を覗こうとしていました。今思い出しただけでもぞっとします。

ここを観光した5人は、その後カリフォルニア州アナハイムにある「ディズニーランド」へと向かうのでした。
車中には、今の奥さんも一緒でした。

ああ、青春。
1980年の暑い夏のことでした。





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