Photo & Text by Higaeri

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お茶通り(感徳茶葉街)の朝

<お茶の町の朝>

前日は黄さんの家族の帰りを待てず、いつの間にか寝ていた。6時ごろ起きたら、家族はもう誰もいなく、外はやたら賑やか。夜中に作り上げたお茶(夜作ると、おいしいお茶ができるのだそうです)を、農家の人が朝一で問屋に卸すのだそうだ。みんな大きなお茶の入った袋を持って来ては、まず茶葉の香りと色をテストしてもらい、そして、首を振られて次の店へ。という感じ。持ってくる袋のほとんどが、却下。売る方も買う方も必死。

バイクの荷台もお茶。右下にお茶を手にとってる人がいます。
右上の白いのが並んでいるところは味を見る台です。

朝から車とバイクが大渋滞。交通に秩序がない。旧暦で1と6のつく日は市が立つらしく、この混雑はそのせいみたい。生活雑貨や、お野菜、果物の他に、摘んだお茶を入れる籠や、お茶を分けたりふるったりするザルなんかも売ってた。もちろん手作り。どれもよくできてる。


道はちっとも動かない。

朝市。種屋のおじさんとか、かごもある。
すごくじっくり見て買ってたのが印象的。

<友だちんち>

二人の友だち宅へ。一人目は呉さん。

呉さんと黄さん。後ろは桃の木。

うちはお茶の卸売りをやっているらしく、ご両親はお留守。お昼に帰ってきたお母さんに、「あんたお茶も出さないで!」風に叱られていた。ここんちのお茶もおいしい。

二人目は、章さん。

見ていて気持ちいい手つき。章さん。

うちはお茶の栽培と加工をやっているらしく、大きな冷蔵庫を見せてくれた。あと、機械もあったけど、小さい親戚の子と遊んでたら、その機械が何の機械なのか聞くのを忘れた。ここでもお茶でおもてなしを受け、彼女の手馴れた手つきに惚れ惚れ。



<お茶購入>

お兄さんのお店に戻って、茶葉購入。

黄さんのお兄さんの義父と義兄。てんびんで7g計って味を見る。

1斤(500g)300元のものを2種類合計で1斤注文。このくらいのお茶でも香りがあって、飲んだ後、胸のほうに「ふわんっ」と、爽やかさが来る。(後で円換算を間違っていたことに気がついた。神原氏に頼まれたのはもっといいお茶がよかったんだった!)

このとき、一緒にわたし用の茶葉の茎を取りながら、いつもは忙しく朝早くから夜遅くまで働いているお兄さんと、やっとゆっくり話す時間が持てた。お茶屋の人が、普段飲むのはやっぱり鉄観音。でも、いいお茶じゃない。いいお茶はお客と一緒に味を見るとき。ほんとに自分用に飲むのは一般人と同じ、安いものらしい。これで宿題完了。(帰って、宿題のメモを見たら、もう1つ!武夷岩茶との違いを聞くのを忘れていたことに気がつきました。また今度。すみません。)

やらしいかなと思いつつ、ちなみにと聞いてみたら、わたしが初めに飲んだお茶は、1斤1000元のものだったのだそうだ。普通の人の1ヶ月の収入が1000元と言われる中、あれは相当にいいお茶だったんだな。そして、あの味がどこで飲んだものと似ていたのかを思い出した。

2週間前に泉州の茶館へ行ったときに、顔なじみになった老板(社長)がサービスにくれたお茶だった。その日、茶館の小姐が頼んでいない3杯目のお茶を持って来たので、??と思っていたら、にこやかに「送」と言って、ちらっと、老板を見ていた。「あちらのお客様からです」みたいな、かっこいい状況で、しかも、わたしを覚えてくれたことに感動したんだった。あんな味は飲んだことがなかったので、「このお茶深くて重くておいしいけど、どこの何だろ?」と何も知らずに飲んでいたあのお茶が、鉄観音で、しかもそんなにいいものだったんだと知ってびっくり。おそれ多い。

いいお茶も1回分とかでいいから買いたいとお兄さんにお願いしたら、少しならと言って、くれた。

お兄さんが、日本語で訳をしてくれる黄さんを頼もしそうに見て、「日本語が上手になったら、日本に行ってお茶を売って来い!」と言うので、わたしが「ほんとほんと、是非。」と言ったら、急に引いちゃった様子で、「不可能」と一言。でもほんとに、日本でもこんな風に飲めたらいいのにと思うなあ。


<現実>

結局茎取りは全部はできなかった。大急ぎで駅へ行き、すごろくをしながら列車に揺られ3時間ちょい、泉州へ。ここからは現実。やっぱりやたら大きい声で、まくし立てるように話す人たちの中にもまれながらバスに乗って帰宅。

楽しかったなー安渓。ほんとほんとにお茶しかない町だったけど、それが最高によかった。ありがとう黄さん。改めて。








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