1斤(500g)300元のものを2種類合計で1斤注文。このくらいのお茶でも香りがあって、飲んだ後、胸のほうに「ふわんっ」と、爽やかさが来る。(後で円換算を間違っていたことに気がついた。神原氏に頼まれたのはもっといいお茶がよかったんだった!)
このとき、一緒にわたし用の茶葉の茎を取りながら、いつもは忙しく朝早くから夜遅くまで働いているお兄さんと、やっとゆっくり話す時間が持てた。お茶屋の人が、普段飲むのはやっぱり鉄観音。でも、いいお茶じゃない。いいお茶はお客と一緒に味を見るとき。ほんとに自分用に飲むのは一般人と同じ、安いものらしい。これで宿題完了。(帰って、宿題のメモを見たら、もう1つ!武夷岩茶との違いを聞くのを忘れていたことに気がつきました。また今度。すみません。)
やらしいかなと思いつつ、ちなみにと聞いてみたら、わたしが初めに飲んだお茶は、1斤1000元のものだったのだそうだ。普通の人の1ヶ月の収入が1000元と言われる中、あれは相当にいいお茶だったんだな。そして、あの味がどこで飲んだものと似ていたのかを思い出した。
2週間前に泉州の茶館へ行ったときに、顔なじみになった老板(社長)がサービスにくれたお茶だった。その日、茶館の小姐が頼んでいない3杯目のお茶を持って来たので、??と思っていたら、にこやかに「送」と言って、ちらっと、老板を見ていた。「あちらのお客様からです」みたいな、かっこいい状況で、しかも、わたしを覚えてくれたことに感動したんだった。あんな味は飲んだことがなかったので、「このお茶深くて重くておいしいけど、どこの何だろ?」と何も知らずに飲んでいたあのお茶が、鉄観音で、しかもそんなにいいものだったんだと知ってびっくり。おそれ多い。
いいお茶も1回分とかでいいから買いたいとお兄さんにお願いしたら、少しならと言って、くれた。
お兄さんが、日本語で訳をしてくれる黄さんを頼もしそうに見て、「日本語が上手になったら、日本に行ってお茶を売って来い!」と言うので、わたしが「ほんとほんと、是非。」と言ったら、急に引いちゃった様子で、「不可能」と一言。でもほんとに、日本でもこんな風に飲めたらいいのにと思うなあ。
<現実>
結局茎取りは全部はできなかった。大急ぎで駅へ行き、すごろくをしながら列車に揺られ3時間ちょい、泉州へ。ここからは現実。やっぱりやたら大きい声で、まくし立てるように話す人たちの中にもまれながらバスに乗って帰宅。
楽しかったなー安渓。ほんとほんとにお茶しかない町だったけど、それが最高によかった。ありがとう黄さん。改めて。