カンテ写真部

その8

photo : kanbara



<ラジャスタン州ジャイプール 1990>

ここは、ラジャスタン州ジャイプールの「ランバーグ ホテル」。

服の製作でやってきた二度目のインド。でも、デリーもジャイプールも初めてだったので、日本でガイドブックを読んでかなり詳しく調べた結果、ジャイプールではできればここに泊まろうと考えていました。

ガイドブックには・・・
「1835年建築の伝統あるマハラジャ宮殿を利用した、タージグループの高級ホテル。城のような外観は豪華そのもの。客室は白壁でシンプルにまとめられている。中庭でお茶を飲みながら、美しい庭園を眺めるのもよい。近くにゴルフ場あり、ホテルにて手配可能。駅の南東約4km、ジャイプール空港からは車で約30分。」とある。
これは行ってみないと損、とばかりに木村さんを説得して泊まる事にしました。

しかし、ここへ来る前に一悶着。

デリーやオールドデリーで生地や雑貨の買い物を済まし、「明日はジャイプールだ」と意気込んで、案内役のラジューにジャイプール行きのバスのチケットを買いに行ってもらったら、なんと「祭りか何かで動いていない」という返事。
「うそぉ〜。どうすんの?」「飛行機ならチケット買えそうだから行こう。」と3人でチケット売り場へ。
(もちろん、この会話、片言の英語ですよ。ラジューはちゃんと英語もヒンズー語もしゃべれるけど、僕も木村さんも日本語混じりの英語でした。)

こういう時、ラジュー(交渉役)がいると便利だなあとつくづく思いましたね。あっという間にチケットを入手できて、その晩はゆっくり眠りにつけました。

しかし、翌日、デリーの空港から乗った飛行機は最悪でした。それほど大きくないジェット旅客機の最後尾の席で、しかもその席はあとから増設したのがまる分かりの狭い席で、乗ってる間中その飛行機の機体がガタガタガタガタ揺れるんですよ。まるで大型トラックで舗装してない道路を走ってる感じ。前に座ってるインド人の二人組(おっさん)は大声で1時間しゃべりっぱなしだし。うるさいぞインドのサラリーマン!

さて、ジャイプールの小さな空港からタクシーで市内に入り、最初はラジューの案内で生地屋さん巡りです。
店の人がサリーの生地やベッドカバーを1枚1枚広げてくれて、目の前には布の山ができるほど。選んだ後は、1枚1枚きちんと畳むんですよね。すごい仕事です。別のところでは、アンティークの布をしまっているでっかい倉庫に案内されて、埃まみれになりながらの作業はちょっとヘビーでした。
市内の道路では、バイク、自転車、荷車を引くラクダ、自転車の力車、インド製の車アンバサダーなどがひしめき合い、舗道にはアイスクリーム屋もチャイ屋もあるし、路地に入れば野良豚や子供達が走り回っていたり、結構にぎやかでした。

仕事が一段落し、ホテルに着いたのが夕暮れ時。フロントには欧米の旅行者達がたくさん並んで部屋の交渉をしていました。今度もラジューのお世話になって、僕とラジューで一部屋、木村さんの個室を取ってもらい、部屋に入ってビックリ。広い!豪華!庭に面したカーテンはすべてミラー細工あり。
レストランではピアノの生演奏。出て来た料理は、辛いけどちゃんと味付けしてあるのでどれもおいしい。

翌朝、6時頃起きて、ホテル内を散策しながらの撮影は爽快でした。クジャクがその辺を歩いていたり、中庭は広いし、外の庭には噴水や郵便ポストまである。とにかくでかい。

朝日を浴びて、無表情で佇む案内係?の人。

金色がまぶしかった。





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