カンテ写真部

その13

photo & text : kanbara



< ネパール カトマンズ 1986

アメリカ旅行では、風景にばかり気を取られていて人をあまり撮っていませんでした。というか、人を撮る事にあまり興味がなかったのかも。

それが、カンテに入ってスリランカに行ってネパールに行ってインドに行って「人ってこんなに面白いんだ。」ということに気がつきました。人間に西洋も東洋もないことは頭では分かっているんだけど、やっぱり僕は東洋人なわけで、アジアの人、特に日本人的な顔をしているネパールの人には、他の国にはない親近感が湧いてきて、風景よりも人を多く撮って帰りました。

写真の少年とかは日本のどこかにいそうですよね。とても無邪気な顔をしてて、好感が持てます。

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ネパールでの服の製作は、現地の人たちのペースに合わせて仕事をしていたので、全然ハードではありませんでした。旅行をするとなぜか朝早く目が覚めるので、食堂で思いっきりまったりして、10時頃からようやく仕事にとりかかり、カトマンズ市内のあちこちの生地屋さんを巡り、お昼になるとレストランでゆっくりと昼食をとって、仕事が再開しても3時頃にはもうペンションに帰ってたり、自由時間をもらってその辺を散策したり、そんな感じです。

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ペンション・バサナを出たところの道は空港とカトマンズ市内を結んでいるので交通量が多く、ある朝、道路に出て、通勤の車や、タクシーを拾う金持ち風の小学生や、犬を散歩させるおじさんや、店を開ける準備の人たちなどを撮影していました。
道路の反対側に目をやると、カトマンズ独特の緑色のドアから少年が現れたのでカメラを向けてシャッターを切りました。

彼が何を見ていてこういう表情になったのか、思い出せません。

(この記事は2009年に書いた物です。先日起きたネパール大地震。亡くなられた方のご冥福をお祈りします。)








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