カンテ写真部

その14

photo & text : kanbara



< ラジャスタン州ジャイプール 1990 その4

ここは腕輪(バングル)の問屋さん。

インドへ服の製作に行った時にはもうひとつ大事な仕事があって、それが雑貨の買い付けでした。雑貨の中で何が売れるのかというとやっぱり装飾品。カンテのお客さんは90%以上が女性だから当然と言えば当然で、ピアス、ネックレス、バングルス、指輪、等々。その後に布類が続き、置物は一番売れにくい。

僕は男なので、女性がどんなものに興味があるかなんて当時は全く分かんなかったから、装飾品は一緒に行った木村さんに選んでもらっていました。数だけは雑貨を管理している僕の方が詳しいので、何個買えばいいのか妥当な数字を決めるのは僕の役目でした。
しかし、この写真の腕輪の数を見れば分かる通り、妥当な数なんて決めようがないと思いませんか?

カンテの仕事って、結局は(ほとんど)アバウトな仕事になってしまうのです。

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僕がカンテに入った1980年には、中津店ではまだそれほど雑貨は扱っていなかったように思います。売る場所もなかったし。梅田に阪急ファイブ(現HEP FIVE)店があっから、そこの店先で売ればいいと考えていたんでしょう。

翌年、カンテの服のブランド「ヌーディスト・ピーチ」を立ち上げて梅田のエストにお店を構えてからは、中津店に在庫を抱えるようになったこともあり、客席をつぶして服や雑貨のコーナーを設けていた時期がありました。入り口を入って左側が雑貨のコーナーで、シャツやスカートやワンピースとともに布類も置いてました。

当時中津店で一番よく売れていたのは「ベナレススカーフ」。
薄いカラフルな綿や化繊の生地に神様やインド柄をプリントしたスカーフで、エスニック好きなミュージシャンとか今でもそのスカーフをマフラー代わりにしている人をたまにテレビで見たりしますが、当時は円安だったこともあり(1ドル約250円)、1枚1,500円で売ってたりしましたね。(今では500円で売ってます。)

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さて、今回の写真の女の子はあまりいい表情してないのに、なぜこれを選んだんだろうと不思議に思われた方もいると思いますが、インドではこんな風にして腕輪を売っているんだというところを見てもらいたくてこの写真にしたのです。

で、実はもう1枚この女の子の写真がありまして、
それがこれです。

どうです、この笑顔。いいでしょ?








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