カンテ写真部

その20

photo & text : kanbara



<ネパール カトマンズ 1986 その3

その日、朝早く起きて、ひとりでボトナート寺院へ行こうと思い立った。

泊まっていたディリバザールから東へトコトコ歩き出し、橋を渡り、猿のいっぱいいるお寺を抜けて、チベット仏教のお寺・ボトナート寺院に到着した。
ここは丘の上のスワヤンブナートとともに「目玉寺院」で有名な場所で、最近のシロの目を連想させるちょっと怖そうな目玉が描かれた塔のあるお寺です。
ここを参拝している人たちやお店の人たちはネパール人というよりはチベット人的な顔立ちの人が多かった。

一通りお寺を見学して、もう少し田舎の方へ行ってみようと思い外へ出た。

だだっぴっろいたんぼや畑になんの舗装も施されていない細い道が1本。その脇に木でできた電柱が倒れそうに立っていた。
天気は素晴らしく良くて、遠くにヒマラヤが小さく見えた。
毛足の長い薄汚れた白い犬がこちらに向かって吠えている。野良犬なので、道の小石を拾っておく。
もし近づいて来たら投げるためだ。

民家の建ち並ぶ一角まで来て、開店準備のパン屋さんの前を通った時、この子がいた。
恥ずかしそうに、でも興味津々でこちらを見ていたので、ニコッと笑ったらニコッと笑ってくれた。

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記憶はここまででストップ。ここからどうやって帰ったのか全く思い出せない。






後年、「おいしいカンテGのいれ方」というカンテのパンフレット?を製作した時、トータスの絵や井上さんの写真やインドのイラストと共にこの写真を使いました。で、このパンフレットを持ってる人はすごいと思います。だって僕も完全版は持ってないから。

この言葉は、ビーチボーイズの本に載ってた「インディアンのことわざ」です。



(この記事は2009年に書かれた物です。先日起きたネパール大地震。亡くなられた方のご冥福をお祈りします。)








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