服の工場へ初めて行った時、ちょっとビックリしたことがありました。
僕の想像では、服の工場といえば女性がミシンを踏んでいるものだとばかり思っていたら、実際は男ばっかりの職場だったことです。2階建ての工場の1階では、10人ほどの男の人がミシンを踏んでいて、野外でも2〜3人の人が服を縫っていました。
聞くところによると、ミシン工員は服の生産が盛んな時期だけ契約して、仕事がなくなれば別の工場へ移動するという渡り鳥のような出稼ぎ労働者だそうで、毎年同じ人が同じ工場で働く事はまれらしい。
それで一つの疑問が氷解しました。同じ縫製の間違いを何度もするのはなぜだろうと思っていたのですが、いくらこっちが間違いを指摘しても直らないはずです。毎年違う人が担当しているからですね。
さて、それでは女性はどうしているのかというと、写真のようなボタン付けや手縫いでないとできないような仕事をしているのでした。おしゃべりをしながら。
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ネパールで出来上がった服は、その年のシーズン前に伊丹空港(当時は国際線もあった)に届き、カンテと契約している通関業者によってカンテの倉庫に運ばれました。
半期に一度の輸入で、30〜50kgの箱が30個ほど届き、それをさばいて片付け、スタッフで金額を決め、値札を付け、お店に発送するのが僕の仕事でした。中には生成りで作って日本で染める服もあり、染色屋さんに服を持っていくのも僕の仕事でした。