[ 神原通信 ]


2021年3月29日(月

<ロイヤルミルクティーの反響>

カンテで働いている時は、それほど「ロイヤルミルクティー」という存在を気にしてはいませんでした。だってカンテは「紅茶専門店」だったし、イギリス式のポットで蒸らすミルクティーがあって、もう一方でインド式の煮込みミルクティーがあったから、わざわざ日本式の鍋で蒸らすロイヤルミルクティーを出す必要がなかったんですよね。ロイヤルミルクティーの代わりにチャイを飲んでもらえればよかったわけだし。

ただ、テレビ番組の依頼で「世界のお茶の飲み方を5種類ほど紹介できますか?」と言われたことがあって、「インドのチャイ」「モロッコミントティー」「チベットのミルク茶」「ロシアのジャムティー(ロシアンティー)」う〜ん、あと何にしようと迷って「現代紅茶用語辞典」に載っていた「ロイヤルミルクティー」を作ってみたら意外と美味しかった。その時の茶葉は「ディンブラ」でしたけど。

あれから15年。3月18日のブログにも書いたけど「カフェで出すあったかい紅茶って何がありますか?」「そうですねぇ、一般的にはダージリンやアール・グレイかな。」「チャイはどうなんでしょう?」「めんどくさいよ。それに安定しておいしいチャイってよほど慣れてないと無理。」で、思い出したんですよね、あの取材のことを。「あれなら、今僕が扱っているチャイ用のブレンド茶で作ることができるし。」ついでに、僕の茶葉のラインナップにも加えてみようと。でも、僕のサイトは「チャイの専門店」みたいになってるし、買ってくれるのかな?という不安もありつつ、販売を開始したら・・・けっこう需要があったみたいで、注文が予想以上に来たんですよね。

そこで、今日は、「ロイヤルミルクティー」を買われた「#mimin33」さんのインスタグラムでの文章が興味深かったので、許しを得て、ここで紹介することにしました。

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去年、TBSのマツコの知らない世界で紹介された神原さんのチャイを取り寄せてミルクティをいれてみた。

う、旨い!ヒャー!

レシピ通りに入れてみたら専門店で飲むミルクティができた!

今までどうやっても上手くミルクティいれられなかったが、こんなに簡単にできるなんて!

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「専門店で飲むミルクティができた」というのが、うれしいですね。僕は紅茶専門店でロイヤルミルクティーを飲んだ事はないですが、だいたい想像はつきます。それに、「うまくミルクティがいれられない」というのがとても興味深いです。
ポットに紅茶の葉をいれて3分間蒸らしてミルクを足すとできるミルクティーが美味しくいれられないのはなぜだろう?茶葉の種類と量、お湯の量と蒸らし時間、ミルクの質と量、全てのバランスが整って美味しいミルクティーはできる。こんなことができるのは、毎日紅茶を飲むしかないっていうことが、紅茶の難しいところかも。

僕の選んだロイヤルミルクティー用の茶葉とそれを使った作り方は、そういう諸問題を「バランス良くまとめていること」なんだけど、そこに気がついてくれた「#mimin33」さんに感謝です。

 

 

2021年3月27日(土

<『神原チャイSP』が売り切れた!>

もちぎ

3月の中旬ぐらいから茶葉の注文がピタリと止んでしまって、手持ちぶたさな毎日が続いていたのですが、23日の夜、お風呂に入った後、いつものようにメールのチェックを始めたら・・・なんと注文のメールが5,6通来ていてびっくり!

「○○ちゃ〜ん(うちの奥さんをこう呼びます)、ちょっとこれ見て!」

「なんでいきなりこんなに注文くんの?」

「なんでやろ、分からん」

としゃべっている間にも注文のメールが。どのメールの文面もなぜ僕に注文したのか書かれていなかったけど、まあ、いいや、どこかでまた再放送でもしてるんだろうと思い、発送の準備をしてたら・・・

「わかったわ。Twitterで『チャイ』って検索したら、一番上に出て来たよ。『望月もちぎ』さんていう人が、「神原チャイSP』が美味しいって書いてあって、その人のツイートに5,259件のいいね!がついてる!きっとそこからよ。」

「そうなんや。望月もちぎさんてどこかで聞いた事ある名前やね。」

「かんちゃんのフォロワーにいたよ。わたし、その人から『かまタク』を知ったんだから。でも本名じゃないみたい。年齢も隠してるし。」

というわけで、久しぶりに忙しい紅茶のパック詰めがやってきました。楽しい!
僕は紅茶詰めが好きなんですよね。
ところで、「神原チャイSP」なんですが、茶葉の在庫が少なくなってて、「4月末で終わりそう」と思っていたら、もうなくなってしまいました。しばらくは、仕入れ先にブレンド用の茶葉が入荷しないかぎり再発売の予定が組めませんね。

ま、そういうことは紅茶の世界では多々あります。気長に待つ事にします。

 

 

2021年3月18日(木

<ロイヤルミルクティーって何?>

なぜ今ロイヤルミルクティーなのかというと、実は、新しくお店を始められる方から「お店でチャイを出したいんですが」と相談を持ちかけられたことがきっかけなんです。

「アイスチャイなら仕込みができるし、味的にも仕込んでおいた方が美味しいのでお薦めなんですが、ホットのチャイとなると、結構手間がかかるし、失敗も多いのであまりお薦め出来ませんね。」とお答えしたんです。

これは、カンテでの経験を踏まえた上でのことなんですが、ホットのチャイを一杯点てすると熟練者でも集中力が必要で目が離せないし、慣れてない人だったら美味しいチャイを作るのはかなり難しいのです。で、仕込んでおくと時間とともに味が変質してしまう(注文の多いカンテでも1時間も経つと美味しく無くなる)ので、一度飲んだらもう注文してもらえなくなるだろうと、そう思うんですよね。
カンテ以外でよくある方法と言えば、リキッドの紅茶液にスチームで温めた牛乳を加える方法がありますが、これは「チャイ」とは別物で、だから「チャイティー」とかっていう名前で出してるんだと思います。

では、チャイに代わるメニューってなんだろう?と考えた時、「紅茶」ではインパクトに欠けますよね。今時喫茶店で出される紅茶ってティーバッグが主流だろうし、ヘタしたらリキッドを温めるだけだったりするかもしれないし、そんなの出しても失望されるだけだろうし・・。
そこで、「ロイヤルミルクティーならどうだろう」と思ったわけです。メニューに「チャイ」と書かれていたら躊躇するお客さんでも「ロイヤルミルクティー」だったら注文しやすいし、作り方もチャイよりは簡単だし、飲んで美味しければリピーターになってくれるだろうし。

では、ここで僕の知ってる「ロイヤルミルクティー」とはどういうものなのかWikipediaを引用してみます。(昔、「紅茶辞典」に書かれていたものとほぼ同じ内容ですが、間違いもあるので少々編集しています。)


【ロイヤルミルクティー】

「Royal milk tea」は、イギリス王朝風のミルクティーと言うことからこのように呼ばれるが、日本独自の和製英語であり紅茶本国イギリスでは存在しない。海外でも通用する名称としては、シチュードティー(Stewed tea)が用いられる。日本のティールームの草分けといわれる『リプトン本社直轄喫茶部 極東支店』(現 株式会社フクナガ)で、1965年にロイヤルシリーズの一つとして考えられ、同名の紅茶飲料が販売されるに従い次第に広まっていった。

通常のミルクティーではポットで蒸らした紅茶にミルクを混ぜるが、ロイヤルミルクティーは、手鍋に水と牛乳を足したものに茶葉を入れて蒸らす点に特徴がある。ただし牛乳を沸騰させると牛乳に含まれるタンパク質(カゼイン)が茶葉を覆い十分な抽出が出来ないため、以下のような作り方が良いとされる。

• ロイヤルミルクティー(1人分)
1 小さな容器(グラス等)に紅茶葉を入れて、あらかじめ少量の熱湯をかけ茶葉を開かせる。
2 常温の牛乳を水で割り(比率は好みによる)、ミルクパンで沸騰直前まで温めて火を止める。
3 1の茶葉を2に加え、蓋をして数分間蒸らす。
4 茶濾しで濾してティーカップに注ぐ。好みでグラニュー糖を加える。


ということで、これを基本に僕が考えた方法を紹介してみます。

[ロイヤルミルクティー2杯分の作り方]

※手鍋は(泡立てないので)直径12cmぐらいでO.K.(小さい方が蒸らしやすい。)
※小グラスに茶葉を入れておく。(小ココットでも可)
※茶葉も牛乳も一切煮ないで作ります。(少々は煮ても味は大幅に変わりません)

1.手鍋に水(200ml)を入れて沸かす。

ロイヤル1

2.沸いたら茶葉(8g)にお湯を少しかけて湿らす。

グラス

3.残りのお湯に牛乳(200ml)を足して沸かす。

ロイヤル2

4.沸騰直前で火を止め、湿らせた茶葉を足して

ロイヤル3

5.フタをして2〜3分蒸らし

ロイヤル4

6.温め直せば完成。(砂糖はお好みで・・・一杯あたり約7g)

ロイヤル5

どうですか?慣れれば簡単ですし、水を蒸発させる行程がないので、ちゃんと計量さえしておけば、出来上がりに差がでないのがいいですね。一杯点てなら、上記の半分で作ればいいですが、2杯作った方がより味が安定します。

問題なのは牛乳で、そのまま飲んで「乳臭い」牛乳を使うと美味しく無いので、そこは選んでくださいね。

さて、ここからは僕の茶葉の宣伝ですが(笑)、「ロイヤルミルクティー」用の茶葉を作りました。これはいつもの「神原チャイ」のベースに使っているCTC紅茶を別のものに変えて、さらに比率も変えてブレンドし直してあります。「神原チャイ」でもできないことはないのですが、紅茶(ミルクティー)とチャイのちょうど中間を狙った味に仕上げていますので、多めに作ってものど越し良くすっと飲めますよ。→通販のコーナーはこちら


<今日の映画>

「山椒大夫」1954(監督:溝口健二)

山椒大夫

大映製作・配給。本作は海外でも高く評価され、ヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞を獲得、『西鶴一代女』『雨月物語』に次いで3年連続でヴェネツィア国際映画祭に入賞した。ほか、国内ではキネマ旬報ベストテン第9位にランクインされた。

 

 

 

 

「雨月物語」を見直した後、「近松物語」「祇園囃子」を見直し、次いで「西鶴一代女」を経てこの「山椒大夫」に辿り着きました。今回で3回目かな。
1回目、2回目と何の知識もないまま観てしまったので印象が薄かったんですが、この話には原作があって、それが森鴎外の「山椒大夫」なんですね。ネットで読めます。

「山椒大夫」森鴎外

これを読むと、映画が何を描いていて何を描いてないかが分かります。これを読んだ後に、Wikipediaで解説を読むと、もうひとつの「山椒大夫」があることが分かりました。それが、中世の芸能であった説経節の「五説経」と呼ばれた有名な演目の一つ「さんせう太夫」です。

「さんせう太夫」
岩城の判官正氏の御台所、その子安寿とつし王(厨子王)が、帝から安堵の令旨を賜るべく都へと向かう途中、人買いにたぶらかされて親子離れ離れに売られ、姉弟は丹後の長者「山椒太夫(三庄太夫)」のもとで奴隷として辛酸をなめる。姉の安寿は弟を脱走させたため山椒太夫の息子・三郎によって凄惨な拷問を受けた末に殺されてしまう。つし王は神仏により救われて出世し、山椒太夫父子に苛烈な復讐を行う。

つまり、森鴎外は「この伝説の筋書きを基にしながら、登場人物の年齢から実際の年号を振り当て、そのうえで辻褄が合わない、あるいは鴎外の好みに合わない部分に小説的な脚色を加えていった」そうです。

映画は、このふたつの山椒大夫を混ぜ合わせ、溝口健二流に料理したと、そういうことですね。
登場人物は、他の溝口作品と同じく、「イヤなヤツばかり」が登場します。父親は、上司に逆らっただけで九州へ左遷させられ音信不通、母と兄妹は、そんな父を捜しに出かけますが、人さらいに会い、母は佐渡へ、兄妹は丹後の長者「山椒太夫」のもとで奴隷として十数年働かされることになるんですね。その後、妹は兄を脱走させたのち入水自殺、兄は京に出てなんとか関白に認められ丹後の国守となるも父は時すでに遅く病に倒れた事を知る。ここに至り、山椒大夫を追放し奴隷たちを解放したのち官を辞し、佐渡へ母を捜しに出かけ、ついに盲目となった母と再会し、この話は終わるのでした。

しかし、香川京子の迫真の演技は見事でしたね。泣きます、確実に。溝口健二の演出には、どの映画もそうですが、ほんと釘付けにさせられます。

さて、原作の「山椒大夫」の姉弟を題材にした東映のまんが「安寿と厨子王」も友達から借りてついでに観たんですが、こちらは子供向けとあって残酷なシーンはなく、動物たちが姉弟を助けるというおまけまであって、普通に楽しめました。

 

 

 

2021年3月17日(水

<今日の映画>

「媚薬」1958年のアメリカ映画(配給コロンビア)

「めまい」(1958)で共演したジェームス・ステュアートとキム・ノヴァクが主演。
舞台劇の映画化なので、話はよくできてるし、誰にでも分かるし、舞台がニューヨークなので、おしゃれです。僕が映画に興味を持ったのは、こういうセンスのいい映画がハリウッドにはたくさんあったからですね。ジャック・レモンも出てるし、映画的には小品なんでしょうけど、演技を観ているだけで面白い映画でした。「めまい」の時よりこの映画のキム・ノヴァクに惚れました。

 

2021年3月9日(火

<初めてチャイを作った方からのメール>

昨年、テレビで「僕のチャイの作り方」が放送されて以来、「チャイは飲むもの」から「チャイは作るもの」へと意識が変わられた方が増えたのではないでしょうか。

しかし、実際にチャイを作るとなると、けっこう大変だったりします。手なべがない、茶こしがない、計量器がない、そして特殊な例としては、「ウチにはコイル式の電熱器しかない」等、様々な理由が「自宅でチャイを作る」ことを阻みます。
それにもめげず、全てをクリアして初めてのチャイに挑むとき、ワクワクドキドキが押し寄せて来るんですよね。

チャイのワークショップとかでは、そのドキドキするような初体験の感想をアンケートという形で受け取ったりはするのですが、茶葉だけを僕から入手して家のコンロで初チャイをした時の感想って、直接僕のところにメールが届くというのはあまりないんですよね。
でも、僕はホントは、そういう時の感想をいただきたいのです。だって、初心者に対して僕がどうアドバイスできるのかは、そういう人から話を聞く以外に(特に今は)方法がないからなんです。

ということで、昨日来たメールをここで紹介してみます。初々しさが伝わってきます。

「神原さん

こんにちは。

なかなか自分の時間が取れず、やっと今日人生初チャイ「ほうじ茶チャイ」作ってみました。
実験みたいで楽しかったです。
私でも意外に失敗なく出来て美味しかったです。
本当にミルクティーと違いますね。
胃がポカポカします。

私事で恐縮ですが、昨日ちょっとしたことで落ち込んで、何もする気にならなかったのですが、
パックを開けたら甘いいい香りがして、作ってみて良かったです。

ありがとうございます。

さて、ひとつお聞きしたいのですが、ラベルに書かれてある「あっさり目に作る」っていうのはどういうことかなぁ…と
関西の方あっさりって使われますよね。
なんとなくですかね(笑)」( I )

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Iさん、初チャイ、美味しく出来て、おめでとうございます。レシピ通りに作られたんですね。初心者の中には、適当に作られる方もいらして、結構失敗してるんですよね。よかったです。

さて、「あっさり目」という言葉、関東ではあまり使いませんか?
僕は、愛媛県の出身ですが、「あっさり目」は普通に使いますけど。
「くどい」とか「濃い目」とかの反対語として「あっさり目」という言葉を良く使います。
「浅目」とはちょっとニュアンスが違います。

なので、ほうじ茶チャイのラベルに書かれてある「あっさり目にお作りください。」とは、「煮込みすぎず軽めに仕上げてください。」という意味です。
チャイって煮込みすぎると、茶葉によっては「濃厚過ぎてしつこくなる」ので、
特にほうじ茶を加えると、煮込みすぎによって「えぐみ」に近い味が出たりします。
それを避ける為に、「ほうじ茶チャイは、和風に仕上げて頂きたいので煮込みすぎない方がいい」というような感じでしょうか。

ま、チャイって何回か作っていく内に、変な味になったりすることもありますが、それはそれで次のステップに上がれるきっかけになったりするので、失敗はある程度必要ではありますけどね。
また、なにか質問がありましたら、メールしてください。
可能な限りお答えしますので。



<今日の映画>

「おしどり歌合戦」1939年

おしどり

「日本のオペレッタ時代劇映画である。昭和14年の日活京都撮影所製作、日活配給作品、日活とテイチクの一連の提携作品のうちの一作である。監督は当時31歳のマキノ正博、のちの巨匠・マキノ雅弘の戦前のトーキー作品である。」(Wikipedia)

「シェルブールの雨傘」を観て以降、ミュージカル映画に対してあまり抵抗がなくなったので、この映画も素直に観ることができました。ただし、画質が悪いので、27インチ大画面では諦めて、一旦iPhoneにダウンロードして小さな画面で観ました。これなら普通に鑑賞できます。

この映画が面白いのは、出演者がみんな本当に歌っているところですね。ディック・ミネは歌手だからうまいのはわかるけど、志村喬がかなりうまい!のです。あの、「七人の侍」の、「ゴジラ」の、「男はつらいよ第一作目」の志村喬ですよ。彼が出て来るだけで画面が締まるという映画界の重鎮が、この映画では34歳、しかも老け役で歌い踊るのです。ただ片岡千恵蔵は吹き替えのようです。

「公開当時は、正月向け大作の前の小品の娯楽作品として、それほど話題にはならなかった。しかし、1985年に渋谷パルコ劇場での「マキノ雅裕レトロスペクティヴ」での上映で、公開から45年を経て現代の観客に好評を得て、以来各所で上映されるようになり、1988年にはパイオニアLDCからレーザーディスクが発売された。現代ではオペレッタ時代劇の傑作として評価されている。2005年(平成17年)12月、デジタルリマスタリングされ、「伝説のサムライオペレッタ」の副題でDVD(日活、DVN-125)が発売された。」(Wikipedia)

 

 

 

2021年3月5日(金

<今日のチャイ:感想メール>

昨年の12月に茶葉を買っていただいた林さんから、新たなご注文と感想メールが届きました。
なかなか、「紅茶好き」が伝わってきてうれしくなったので、ここで紹介させていただきます。

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「神原さん、こんにちは
昨年末に注文させていただきました林でございます。

お元気でいらっしゃいますか?
神原さんの紅茶で楽しませていただきましたよ〜

[神原チャイSP]

神原さんのネーム入りの紅茶なので、特別な思いがあると思われるブレンドだったので、大事に頂いています。
そのため紅茶用の保存缶に保管し茶箪笥に入れているので、大事にしすぎて数回しか頂いていませんが、上品な味わいです。
神原さんの真髄であるミルクにあう紅茶としていただきましたが、この紅茶はストレートよりミルクがいいと思いました。

[セイロンブレンドチャイ]

我が家の朝の紅茶として、ストレートティーとしていただいていますが、母も私も気に入っています。
分量通りだとミルクを入れる割合になっているので濃く出てしまいますので、茶葉の分量を少なめにしていただいています。
朝食はパン食なのですが、朝食とも相性がいいのですぐに無くなりました。
我が家の朝の定番はフォートナム&メイソンのロイヤルブレンドですが、神原さんのセイロンブレンドチャイと交互に頂いて、定番紅茶にしたいと思います。

[マサラチャイ]

とても簡単にマサラチャイをいただけるので重宝しました。
私はチャイを入れるときは、神原さんの本から学んだことを手本にして、ホールスパイスをすり鉢ですってから紅茶と一緒に煮るのですが、その手間が省けて、朝の忙しい時でも本格的なチャイをいただけるのはとても有り難いです。
基本的にはノンシュガーでいただいていますが、美味しくいただいています。
先日母の友人が久しぶりに来てくれた時に、このマサラチャイでおもてなしをしたそうですが、お友達もとても喜んでくれたみたいで、母はまた自分でいれたいと言っています。

素敵な神原さんの紅茶に楽しませていただき感謝いたします。」(林充子)

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林さん、感想ありがとうございました。
かつては、僕もフォートナム&メイソンのロイヤルブレンドを飲んでましたね。並行輸入が流行ってた時代です。これを使ってチャイを作った事ありますよ。
あと、僕がブレンドした茶葉をどういう風に活かしてくれているのかが分かり、とても勉強になりました。僕のやってることが、間違っていないんだと思え、自信に繋がります。

さて、その林さんですが、「ヨーロッパのヴィンテージアイテムを自分の足で探して買付して販売する」ということをされてこられた方で、福岡市に実店舗を持っておられたのですが、現在は「海外へ買付するのはリスクがあり、見通しが立ちませんので、しばらくはWebshopで縮小して続けてまいります。」ということだそうで、そのWebshopがこちらになります。

https://teawithdress.com/

僕が買えそうな商品というのは限られますが(笑)、昔、僕もカンテの「服屋」で働いてましたからね。見るのは楽しいもんです。


<今日の映画>

「ロシュフォールの恋人たち」1967年

ロシュフォール

「シェルブールの雨傘」は全編、台詞が歌でしたが、こちらは、普通の会話のシーンもあります。ただし、今回はダンス(踊り)が加わることで、かなり大掛かりなセット(あるいはロケ)になっています。それに、今回は明るい話ですしね。

最初は話がどう展開するのか分からず、見続けられるかなとか思ったんですが、だんだんと話に引き込まれて、最後は「な〜るほど」と話の落とし方にニヤッとしましたね。どこもかしこもおしゃれすぎる。ああ、もう一度観たい、そんな気持ちにさせられる美男美女たちのファンタジーでした。
しかし、この映画のポスターは、ネットで探したけど、どれも内容を表現出来ていません。

 

 

2021年3月3日(水

<今日のチャイ:山羊のミルク>

気仙沼の鈴木さんから、メールが届きました。

「神原さま

大変、お世話になっています。

もはやマサラチャイが(わたしの)基本のチャイとなり、いろいろな牛乳を試しています。
お隣の岩手は中小の酪農家が散在して、それぞれに開拓のストーリーがあって、調べていくのはとても楽しいです。
今のところ最高だったのは、宮古の「しあわせ牧場」さんの山羊乳です。

山羊の乳

ストレートでは豆乳っぽい感じでしたが、チャイにすると絹のような口あたりで、ほんのり甘く、すっと風が抜ける透明感を感じました。
お取り寄せしなければならず、気軽ではないので、特別な時のものです^ ^」

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鈴木さん、お便りありがとうございます。

山羊の乳ですか。長年チャイをやってますけど、まだ一度も山羊の乳は試した事はないですね。かつて、「中津カンテの裏庭で山羊を飼っている」という噂が広まったことがありますが(笑)、乳搾りはしたことがありません。

ま、一般的に山羊の乳はクセがある(山羊のチーズはクセがありました)ので飲みにくいというのが通説のようですが、最近はエサとかも改良されてるんでしょうね。「ほんのり甘く・・」というのに惹かれます。

ネットで検索したら、500mlで1,000円強+送料でしたので、買うのは諦めました。(笑)

<今日のチャイ:もうひとつのメール>

かつて僕が働いていた「カンテ・グランデ」の仲間だった岸(旧姓:中島)千恵さんから茶葉の注文が届き、発送後「もしよかったら感想を送ってください。」とお願いしておいたのですが、そのお返事が今日届きました。

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「神原さん

おはようございます。
ほうじ茶チャイと、神原さんSPチャイ、いただきました!

まず、飲んで最初に思ったのが、あっさりした感じが、カンテで飲んだときのチャイを思い出しました。
茶葉が違っていても、作り方が同じだと、ベースは私の記憶に残るカンテのチャイの味でした。
神原さんSPチャイは、カンテのときのチャイの味より、味は濃く感じました。CTC紅茶が入っていることで、よりしっかりした味わいで、美味しかったです!

豆乳で割ることが家では多いのですが、また牛乳で飲んでみたいと思います!
牛乳で飲むのも楽しみです。

ほうじ茶チャイも美味しかったです!
最後の、ひとつまみがほんとにミソでした!(神原注釈:トッピング用のほうじ茶を少しおまけしてました)
香りがホワッと。良い香り〜♪

ありがとうございました。」

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千恵ちゃん、ありがとう。

「神原さんSPチャイ」っていうのがいいなぁ。やっぱり、僕は先輩だから「神原チャイSP」って呼び捨てにはできないですよね。(笑)

昔のスタッフで、僕から茶葉を買ってくれたのは、うつぼの店長だった中村君とマツリカちゃんぐらいかな。チャイはカンテでタダで飲んでいたんだから、僕から茶葉を買うっていうのに抵抗があるのかもしれないよね。というか、みんなカンテを卒業するとチャイを飲まなくなってんじゃないかな。ホールの人は特に、自分で作ってたわけじゃないしね。かろうじて厨房に入ってた人は作り置きを作ってたし、ケーキスタッフはお茶には興味ある人多かったし。

ところで、僕は昨年、カンテとは一切縁を切っちゃったので、今でも営業してるのか、茶葉を売ってるのかどうかも知らないんだけど、僕はカンテのチャイの味を継承しつつ、僕の最良と思えるチャイ用の茶葉をブレンドし続けているので(いつまで続くのかわかんないけど)、また他の茶葉にも興味が湧いたら飲んでみてください。

また、どこかでお会いしましょう。

神原クッキー

昔、君が僕の誕生日に焼いてくれたでかいクッキーです。覚えてますか?

神原

 

2021年3月1日(月

<今日のチャイ:『マサラチャイSP』の感想:追加>

「神原さん

おはようございます。

昨日、『マサラチャイSP』が届きました。ありがとうございます。
美味しいですね〜香りが、本当に良い!!!でもその香りも、強すぎないところが良い!
パウダースパイスの「マサラチャイ」でも感じていますが、味はすっきりしているから飽きないんですよね、おかわりしたいというか。

スパイスが原型を残して茶葉に混じって見えていますが、とても、綺麗ですね〜〜
そのまま、袋で保存していますが、これなら別のガラス瓶にでもいれておきたいくらいです。
スパイスのコンディションが良いうちに、とメールに書かれてますが、そういう微妙な部分があるんですね、鮮度ということでしょうか。

良いお茶を作っていただき、嬉しいです。今後も、楽しみにしております。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

マサラチャイ好きの田中さん、感想ありがとうございます。
「スパイスのコンディションが良いうちに」というのは、鮮度のこともありますが、「スパイスとの巡り合わせの良いうちに」というのも含んでの言い回しでした。今回、この時期に買ったスパイスのコンディションがよかった、ということが、「マサラチャイSP」の評価に繋がったような気がします。この味と香りがキープできるかどうかは、各スパイスの状態次第ということですね。ということで、仕入れ先の皆さん、(このページを見ているかどうか分かりませんが)よろしくお願いします。

さて、マサラの瓶、撮影してみました。

マサラ

ちょっとカルダモンが多過ぎ?使う時は下から混ぜないとね。

 

<今日の1曲>

田中さんとのメールのやり取りの中で、「『シティ・ポップス』が流行っていた頃、僕は「カンテ」で「民族音楽の現地録音』にハマっていました。」とお返事したところ、「それってどんな曲なんですか?」と聞かれ、「たとえばこんな曲ですか?」と教えてもらったのがこれです。

私の大好きなモニカ・ヴィッテイの映画「L' Eclisse」、邦題は「太陽はひとりぼっち」で流れていたこんな感じの音楽ですか?
https://youtu.be/b3WMbxheyaQ

おお、まさにこのたぐいですね。この映画、1962年公開なんですよね。監督は、ミケランジェロ・アントニオーニ。「情事」「夜」「太陽はひとりぼっち」は、「愛の不毛三部作」だそうです。しかし、「愛の不毛」って何?「愛が育たない」とはどういうことなんだろう?
僕とは別の大人の世界ですねぇ。アントニオーニの作品では、高校生の時に「砂丘」を観ましたが、全く何をやっているのか分かりませんでした。最後の爆破シーンだけは鮮明に覚えていますが、僕には一生縁のない話のようでした。(笑)

でも、こういうメジャーな映画人達の中で、もうすでに1960年代はじめから民族音楽に注目している人達がいたんですね。それが驚きです。

話は戻りますが、僕が「カンテ」で民族音楽にハマったのはなぜかというと、「カンテ」が無国籍風な喫茶店だったからですね。最初はオペラやクラシック音楽が掛かっていましたが、途中からレゲエが掛かり出し、オーナーが世界旅行をしたこともあってガテマラやインド、アフガニスタン、イランといった、今まで聴いた事のない曲が流れ出したのです。それが僕にはすごく新鮮でした。
当時よく聴いたのは「ショナ族のムビラ」「インドのフルート」「アフリカのサンザ」「アフリカの弦楽器」などなど。

田中さんは「カンテでBGMとして使っていらっしゃっとのことですが、私も仕事中にBGMとして使って、唯一、邪魔されない音楽が民族音楽です。
何なんでしょうかね、歌っているものもあるのですが、全く思考を邪魔しないんです。」って。

そうなんですよね。会話のジャマをしないので、重宝しました。

おいおいここで紹介していきます。聴きたく無い人の方が多いでしょうけど。(笑)



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