[ 神原通信 ]

 

2021年11月28日(日

<今日の1曲>

The Clovers: "Devil Or Angel"(1956)

もうじきクリスマス。なので、こんな曲を聴きたくなりました。
あったかい部屋の中で。

 

2021年11月23日(火

<フィルム・ノワールとは?>

映画の一ジャンルに『フィルム・ノワール』というのがあります。僕のイメージでは、「1940年代の、白と黒のコントラストの強い(モノクロ)映画」「影のある主人公とファム・ファタールと呼ばれる悪女が登場する映画」というもので、ハンフリー・ボガートとローレン・バコールが出て来る映画がその代表だと思っていました。

しかし、よくよく調べてみると「フィルム・ノワール」って色々あるのが分かってきました。そのとっかかりになった作品がロバート・シオドマク監督の「らせん階段」(1945年)。ミステリー&スリラー仕立ての映画で「口がきけない娘が殺人鬼につけねらわれるという物語」をダークな白黒映像で表現していて、これもフィルム・ノワールの代表とされている映画です。ここには、影のある探偵も悪女も登場しませんが、雰囲気がフィルム・ノワールなんですね。

Wikipediaでもその他のブログでも「フィルム・ノワール」の説明は大体こんな感じ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【フィルム・ノワール】

フィルム・ノワール (film noir) は、虚無的・悲観的・退廃的な指向性を持つ犯罪映画 を指した総称である。 狭義には、1940年代前半から1950年代後期にかけて、主にアメリカで製作された犯罪映画を指す。(Wikipediaより)

フランスの映画雑誌「レクラン・フランセ」の1946年8月号のなかでニーノ・フランクが〈フィルム・ノワール〉という言葉をはじめて用いて以来、幾多の批評家や映画史家がこの言葉の定義を試みようとしてきたが、いまだに決定的といえるような結論は出ていない。

どんなものでも多かれ少なかれそうだが、このフィルム・ノワールと呼ばれるジャンルはとりわけ、明確に定義しようとすればするほどその境界がぼやけ、すべてが曖昧になってしまう不思議なジャンルだ。

そもそも、これが映画のひとつのジャンルであるのかどうかも、識者たちのあいだで意見が分かれている。ヌーヴェル・ヴァーグのような歴史上の一時期に限られたひとつのムーヴメントだというひともいれば、作品の持つある種の雰囲気にすぎないというひともいるのだ。(「映画の誘惑」より)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

次に僕が観たのがこれもロバート・シオドマク監督の「殺人者」(1965)で、この映画のオープニングには度肝を抜かれました。怖すぎる!「ノー・カントリー」も真っ青!
夜の通りをふたりの殺し屋が歩いて来て、ダイナーと呼ばれる食堂に入ってからの殺し屋と食堂の店員とのやりとりは緊張感がありすぎ、画面に釘付けです。

監督のロバート・シオドマクはWikipediaによると「ドレスデン生まれ。舞台監督の後に、編集者・シナリオ作家となる。ユダヤ系であったため、ナチの台頭に伴い、ドイツを逃れて、パリを経てハリウッドに移る。」とある。
「フィルム・ノワールとされる映画には、ドイツ表現主義にも通じる、影やコントラストを多用した色調やセットで撮影され、行き場のない閉塞感が作品全体を覆っている。夜間のロケーション撮影が多いのも特徴といえる。その全盛期における多くの作品はコストの制約もあってモノクロームで制作され、カラーの事例は少ない。」まさにこの説明通りの映画ですね。

さて、前述した「映画の誘惑」には、お薦めの作品を上げているのでそれを列記してみましょう。短縮したメモと寸評を右側に少し載せました。

<フィルム・ノワール40年代篇>

『マルタの鷹』
(ジョン・ヒューストン、41)
「ハードボイルド映画の誕生と同時に、フィルム・ノワールの誕生を告げた作品。」
観たけど記憶にない。
『拳銃貸します』
(フランク・タトル、42)
「アラン・ラッド=ヴェロニカ・レイクのコンビもの。」二人とも小柄なのが難点。
『ガス燈』
(ジョージ・キューカー、44)
「イングリッド・バーグマンに初のアカデミー賞をもたらした作品。」
未見。
『深夜の告白』
(ビリー・ワイルダー、44)
レイモンド・チャンドラーが脚色(チャンドラーのハリウッドでの初仕事)。よくしゃべる映画。
主人公に感情移入できるので、ハラハラドキドキがラストまで続く。とにかくよくタバコを吸う映画。
Amazonプライムの画質は悪いが、これは傑作。
『飾窓の女』
(フリッツ・ラング、44)
「40年代のフィルム・ノワールはフリッツ・ラングの時代だといってもいい。」ぐらい傑作が多いらしい。
未見。
『ローラ殺人事件』
(オットー・プレミンジャー、44)

「あっと度肝を抜く展開になっているので、ストーリーはあまり詳しく語れない。」
これも未見ですが、誰もが傑作だと言うのでDVDを買うしかないな。

『哀愁の湖』
(ジョン・M・スタール、45)
「ジーン・ティアニーが珍しく悪女を演じたテクニカラーによるフィルム・ノワールの傑作。」
これも未見。傑作はAmazonプライムではなかなか出て来ないなあ。
『らせん階段』
(ロバート・シオドマク、45)
「階段、鏡、蝋燭などの舞台装置をシオドマクは完璧にあやつってサスペンスを高めてゆく。」
これも傑作。
『恐怖のまわり道』
(エドガー・G・ウルマー、45)
「低予算早撮り映画の天才エドガー・G・ウルマーによるカルト・ムーヴィー。いまのところビデオにさえなっていない。 」
未見なのですが、いつ観られるのか不明。
『郵便配達は二度ベルを鳴らす』
(テイ・ガーネット、46)
「この映画のラナ・ターナーの淫蕩な悪女ぶりは、『深夜の告白』のバーバラ・スタンウィックとならんで、フィルム・ノワール的ファム・ファタールの典型のひとつをなす。」
『殺人者』
(ロバート・シオドマク、46)
「原作はヘミングウェイの同名短編小説。」
バート・ランカスターとエヴァ・ガードナーが初々しい。僕の一推し。
『ギルダ』
(チャールズ・ヴィダー、46)
「恋愛映画としても一級の傑作だ。」そうだが、僕には響かなかった。残念。
『三つ数えろ』
(ハワード・ホークス、46)
「チャンドラーの原作『大いなる眠り』をウィリアム・フォークナーとリー・ブラケットが脚色してできあがったハンフリー・ボガートとローレン・バコール主演の伝説的フィルム・ノワール」
ハワード・ホークスの映画は苦手だ。
『暗い鏡』
(ロバート・シオドマク、46)
「シオドマクによるサイコ・ホラーの傑作。」らしいので観たいんだけど、観られない。
『過去を逃れて』
(ジャック・ターナー、47)
「最も重要なフィルム・ノワールとしてこの作品を挙げる人も多いはず。」
とはいうものの、1度観たけど印象に残らなかったので、今2回目を観てます。
『ボディ・アンド・ソウル』
(ロバート・ロッセン、47、未)
「 助監督にロバート・アルドリッチ、脚本にエイブラハム・ポロンスキー、撮影にジェイムズ・ウォン・ホウ、編集にロバート・パリッシュという顔ぶれがすごい。」
ほんとにこのスタッフはすごい。だけど、未見。
『街の野獣』
(ジュールス・ダッシン
「評価の高いダッシンの未公開作品」
これも未見。
『Tメン』
(アンソニー・マン、48、未)
「天才キャメラマン、ジョン・アルトンの撮影による強烈なコントラストのモノクロ画面」と言われたら観るしかない、けど未見。
『悪の力(苦い報酬)』
(エイブラハム・ポロンスキー、
48、未)
「とても処女作とは思えないたしかな演出力だ。」そうだが、やはり、これも未見。
『上海から来た女』
(オーソン・ウェルズ、48)
「何度見ても話がよくわからない。」らしい。「市民ケーン」もそういうところがあるよね。
『魅せられて』
(マックス・オフュルス、49)
「オフュルスが得意の女性映画とフィルム・ノワールを融合させた傑作。」らしいが、オフュルスの作品は観た事が無い。
『罠』
(ロバート・ワイズ、49)
「もっとも美しいボクシング映画のひとつ。」
アメリカ人て、ボクシングと野球がホントに好きだね。
ロバート・ライアンの迫真の演技が観たい。
『白熱』
(ラオール・ウォルシュ、49)
「この映画はとてつもなく面白いのだ。」と言われれば観るしかない。これも未見。

僕がほとんど観ていないのは、フィルムが古いせいでリマスターするのに時間が掛かっているんだろうと思います。でも、映画産業はアメリカの代表的な文化だし、アメリカ人のアーカイブ精神は旺盛なので、そのうちAmazonプライムに登場するはず。それまで気長に待つとします。


2021年11月9日(火

くせになるこの1曲

『二人の街角(1969)/ザ・ジャガーズ』(作詞:橋本淳 作曲:筒美京平)

ザ・ジャガーズは、1967年にデビューしたグループ・サウンズ(以下GS)で、GSの2大巨頭「ザ・タイガース」「ザ・テンプターズ」に対抗すべく、フィリップス・レコードが「ザ・ジャガーズ」と命名し、1967年6月にザ・カーナビーツと一緒にレコードデビューを果たす。

デビュー曲の『君に会いたい』が大ヒット。1968年3月には「進め!ジャガーズ 敵前上陸」で映画初主演。(後年、カルト映画として再評価される作品となった。)

1968年、彼らが移動で使用していた専用マイクロバスが交通事故を起こし、メンバー全員が頭を縫うなどの負傷を負い、その結果、療養中に代役でジャズ喫茶に出演したオックスに人気を奪われてしまう。

GSブームが終焉を迎えた1969年夏以降は、ジャズ喫茶やゴーゴークラブが主な活動の場となり、1970年に入り、メンバーの交代が顕著になっても活動を続けたが、1971年7月に解散した。(Wikipedia)

今回の『二人の街角』は、GSブームが下火になりかけた1969年春に発表された彼らの7枚目のシングル曲。かなり歌謡曲に近づけた曲調になっているので、当時の僕としてはロック的でないものには興味がなくなったこともあって全く印象に残っていなかったが、今年になって聴き直してみたら、ファンタジック(?)な歌詞やクール・ファイブを思わせるバック・コーラスや口笛が妙に気に入って、最近毎日のように聴いています。

この曲の他に「恋するまゆみ」というのも不思議な曲で、なぜかボサノバ調です。

ジャガーズのボーカル:岡本信さんについての情報はこちら

 

2021年11月3日(水

<ゆるーいチャイ会>

かれこれ3年近く前に友人宅で行った「チャイの会」に続く2回目を、先週の土曜日に開催しました。
集まったのは20年来の友達3人と僕。その3人と出会ったのは「カンテ・グランデ」で僕がやってたホームページ「カンテ・マガジン」上でした。何度かのメールのやりとりの後、カンテにやってきた3人組とは話が合い、それ以来、ことあるごとにどこかで集まっては「とりとめのない話をする」ことが慣例となり、コロナがある程度収束したのを期に、友人宅で「チャイ会をしよう」と集まったのでした。

一人は阿蘇牛乳を、一人はケーキを、一人はパンを、そして僕は手鍋を持ち寄り、座卓にコンロを置いてチャイを作り始めまたのがお昼1時。

まずは「マサラチャイSP」。3人に振る舞うのは初めてだったので、顔色をうかがいながら茶葉の説明を少々。「あっさりして飲みやすい」との感想。しばらくはチャイを飲みながら、近況報告。

次は「仙人のチャイ」。少し前に、3人のうち1人にこの茶葉を買って作ってもらったんだけど、「どうも美味しくならない」というので、僕が作ってみたのでした。「全然ちがう」と。やっぱり茶葉を通販で買うだけというのは、味の基準が分からないから難しいのかな。話題は、仕事の事やゲームやエアーポッズプロや健康管理などなど。

最後は、ケーキを食べながら、ノーマルな「神原チャイ」を3人分作ってみんなで分けました。

神原

楽しいお茶会は、あっという間の3時間半でした。


2021年11月1日(月

<仙人のチャイ・・感想メール>

以前、「オオカミの口」さんでワークショップに参加されたことのある「かないさん」から、「仙人のチャイ」を飲んだ感想をいただきましたので、ご紹介させていただきます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

神原さん

「仙人のチャイ」を試してみました。
すっごく美味しいです!

頂いたレシピの「時間のかかる方」で作りましたが、久しぶりだったので仕上がりが230tほどになり「ちょっと薄いなぁ」と。
翌日、火加減を変えて作って、ほぼ200tの仕上がりで飲んでみて「美味しい〜!」。
半分はアイスで飲んで更に「美味しい〜」

「オオカミの口」で飲んだ神原さんのチャイに近いものがありました。個人の感想ですけど(笑)。
煮詰めてもえぐみが全くなくて後味がすっきりしてますね。
でもアイスチャイにするとアイスココアのようなコクもあってほんとに美味しいです。
「神原チャイ」との違いがうまく説明は出来ないのですが、私は「仙人のチャイ」が好きです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

かないさん、ありがとうございます。

「仙人のチャイ」は、なかなかに敷居が高いようで注文される方は少ないのですが、一度飲まれると好きになる人は多いですね。

コロナ禍が過ぎ去って、僕があちこちで仙人のチャイを作れるようになるといいなあ、と思う今日この頃です。


<今日の1曲>

ついにApple Musicで郷ひろみが解禁!!

僕の欲しかった「恋の弱み」が高音質(リマスター)で聴けるようになりました。この曲は、筒美京平ファンなら必聴です。ネットでも「郷ひろみの中で最高」と評価する人は多いです。

YouTubeでも聴けるけど、やっぱりApple Musicで聴くのが一番です。もし、契約されていたら「ALL THE SINGLES 1972-1997のベストアルバム」でお聴きください。他のベストでは音圧が違います。

「恋の弱み」筒美京平 作曲 橋本淳 作詞(1976年1月21日に発売された郷ひろみ16作目のシングル)


 

202110月の日記はこちら

20219月の日記はこちら

20215、6、7、8月の日記はこちら

20214月の日記はこちら

20213月の日記はこちら

20212月の日記はこちら

20211月の日記はこちら

202012月の日記はこちら

202011月の日記はこちら


表紙

copyright 2021 canbara