[ 神原通信 アーカイブ ]Page 37

 

2023年7月24日(月

<僕と「オオカミの口」の関係が30年前から始まっていた事を先日初めて知りました。というお話>

オオカミ

「オオカミの口」は今年(2023年)の7月27日で10周年を迎えます。

その福岡のチャイ屋(チャイとスコーンのお店)「オオカミの口」で、僕は先日チャイワークショップをさせていただいたのですが、休憩時にふと奥さんに「チャイに興味を持たれたのはいつからなんですか?」とお聞きしたら、「熊本に居た時『シャンカールG』というチャイを出すお店に通っていたのが始まりなんですよ。そこのチャイとバナナケーキが美味しくて!」
「え?『シャンカールG』って、昔僕が働いていた『カンテ・グランデ(以下カンテ)』にチャイ用の茶葉を注文してくれていたお店ですよ!」

カンテが、当時紅茶専門店だったにも関わらず「チャイ!」「チャイ!」と本格的に叫び出し、梅田店の名前を「Chai Shop Cante G」としたのが1980年。チャイの人気が上昇するにつれて地方にも知れ渡り、あちこちの店から茶葉の注文が来るようになり、その中に熊本の「チャイ・ゴータマ」がありました。その店はのちに「シャンカールG」と改名して別の場所でリニューアルオープンするですが、名前の由来は「カンテG」からだと、店主の方から聞いたことがあります。「カンテの『フラワリー・ファニングス(ルフナ紅茶)』の味が好きなんですよ。」と力説されていました。まだカンテの中津店が地上にあった頃だと記憶しています。

「オオカミの口」の奥さんが、新店舗「シャンカールG」のチャイに出会ったのが30年前の1992年ごろ。
当時、大阪在住だったご主人がミュージシャンの知人に「チャイでもしばきに行かへんか?」(笑)と中津の「カンテ」に誘われたのが1994年。「チャイ=カンテ、カンテ=大阪のおしゃれな人が行くお店」という印象だったそう。
その後、2000年に福岡に戻った彼が仕事先の関西出身の方に「君が好きそうな店があるから」と誘われて行ったのが当時奥さんが働いていた筑豊のカフェ。
そこで奥さんから「チャイの美味しいお店知りませんか?」と聞かれた彼は「カンテ」と即答。『カンテ』と『シャンカールG』が福岡で繋がった瞬間でした。
その後お二人は、2013年にチャイとスコーンの店「オオカミの口」をオープンさせることになるのですが、チャイ用の茶葉は、可能であれば「カンテ」から購入しよう、と卸の担当者にメールをしてみたんですね。その担当者が僕だったというわけです。

僕はどのお店に対してもいつも言うんですが、「チャイってなかなか流行らないからメニューから消えて行くお店が多いんですけど、それでもよければ4kg以上なら卸は成立します。」と。これからお店でチャイを始める方に4kgというのはかなりハードルは高く、しかも「チャイとスコーン」って。とても心配してました(笑)

僕は2015年に「カンテ」を定年退職するも、チャイに関しては心残りもあって、独自に茶葉の販売は続けることにしたんですね。「オオカミの口」もカンテではなくて、僕から買ってもらえました。そんな時に『チャイの旅』の原稿依頼が舞い込み、2017年に出版。その記念にとあちこちでワークショップを開催し、「オオカミの口」でもやることになったのでした。
意外にも、それをどこかから聞きつけたウルフルズのトータス松本くんはメンバーの黒田くんを連れて、「シティ情報誌 ふくおか」の取材で「オオカミの口」を訪れ、なんとそこで僕がブレンドした茶葉を使って「懐かしのカンテ流のチャイ」を披露してくれたのです!
これには僕もびっくり。彼はかつて僕が店長をしていた「中津カンテ」で一時期バイトしていたことがあり、その時受けた「カンテの恩」も手伝い、「カンテ繋がり」のある「オオカミの口」にわざわざやって来てくれたんですね。(ほんと律儀な人です。)
余談ですが、福岡は大阪からの移住者や転勤の方が多いらしく、大阪のカンテで「チャイ」に洗礼を受けた方が懐かしさも手伝って「オオカミの口」に来店されると聞きます。

さてその後、2020年には「マツコの知らない世界」に僕が出演することになり、スタッフから「おすすめのお店のチャイはありますか?」と聞かれたので、即「オオカミの口のジンジャーチャイ」を推薦。その前年の2019年に、チャイワークショップで行った時、店内で飲んだその味が忘れられず番組で再現してもらったのですが、マツコさんに「今年飲んだ飲み物の中で一番!」と言われた時は、自分のことのように嬉しかったのを思い出します。

それまでも人気店だったのに、「マツコの知らない世界」でさらに拍車がかかり、今ではInstagramのフォロワー数が1.9万人!これは「チャイの店」ではあり得ない数字です!

7月27日の10周年の記念日に、「カンテG」や「シャンカールG」でも出していた「バナナケーキ」をオオカミの口でも出す予定だそうです。

「オオカミの口でチャイとバナナケーキ♪」

もうこれは自然な流れですね。

 


Page18  Page19 Page20 Page21 Page22 Page23 Page24 Page25 

Page26 Page27 Page 28 Page29 Page30 Page31 Page32 Page33

Page34 Page35 Page 36 Page37 Page38 Page39 Page40 Page41


表紙

copyright 2023 canbara